2016年09月15日
アサヒビール/クリアアサヒ 「花火を眺めながら」篇
企画制作=博報堂+博報堂プロダクツ ECD=木村透 CD=内山正浩 Pl=柴田賢蔵・神林一馬・長塩希代 AD=関友和 Pr=茂木敦・吉田大介 Dir=守本亨・小林佳宏 P=イジマカオル L=町田勇治 PM=横田祐介・廣瀬雄士・鈴木雄大A=吉嶺直樹 ED=渡辺勝郎・佐藤仁 MA=森浩一 T=トータス松本・向井理・桃井かおり・本田翼 MP=バックスラッシュ・タイスケ・ヒッツコーポレーション 作詞=鈴木勝 作曲=服部良一 歌=トータス松本 ST=堀井香苗・三島和也・飯嶋久美子・本間園子・大橋貴志 HM=三島和也・晋一朗・稲垣亮弐・川添カユミ・犬木愛・岡田典子 Cas=穴田知也・鈴木長英・藤原香弥 Cooking=菊池将伍
EOS C300 Mark llを中心にマルチカメラで臨場感のある絵を撮る
♪クリアアサヒが家で冷えてる〜CMソングもすっかりおなじみになったアサヒビール クリアアサヒのCM 。
4人のタレントがそれぞれ家族や友達と過ごしている。そこで起こる様々な出来事や同時進行で描いていく。設定だけ決めて、あとは実際に動いてもらいそれをドキュメンタリータッチで押さえていく臨場感のある絵作りが特徴だ。
このCMは企画の立ち上がりから複数台のカメラを同時に回すマルチカメラの手法で撮影されている。料理ができて食べる。そしてクリアアサヒを飲むまで、一連の動きをカメラを止めずに収めていくので、撮影は1シチュエーションで1回のみ。
出演者にはそのシーンの背景を理解してもらったら、すぐに本番。そのまま1時間以上撮りっぱなしだ。
メインのタレントの表情、その場の雰囲気や共演者のリアクションを複数台のカメラでもれなく押さえていく。制作サイドにとっては効率的だし、出演者は気持ちを切らさずに流れに沿っていけるので演じやすいが、その分入念な準備とセッティングが求められる。
カメラを手持ちでアクティブに動かして、長回しができる。その上、色調整と画質に信頼のできるカメラとなると機材の選択は限られてくる。
そこで、この撮影ではCanon Log収録のCINEMA EOS(EOS C300/EOS C500/EOS C300 Mark ll)が採用されている。このクリアアサヒの全てのシリーズで撮影監督を務めているイジマカオル氏とD.I.T兼撮影で参加している櫻井隆行氏に話を聞いた。
Interview イジマカオル(シネマトグラファー)
CINEMA EOSでマルチカメラのシステムを構築しています
──イジマさんは撮影監督としてマルチカメラの指揮をなさっているんですね。
イジマ 撮影現場ではカメラのポジションや設定を決めて、撮影が始まったら、マルチ画面のモニターをチェックするのが仕事です(笑)。
僕が自分で撮るケースは企画によって誰かの主観の絵で撮ろうかというような時ぐらいですね。
──クリアアサヒは全てCINEMA EOSですが、機材に関しても狙いによって使い分けているんですね。
イジマ 機動力があってトーンを揃えられることからCINEMA EOSで統一してシステムを構築しています。現在はEOS C300とEOS C300 Markllがほとんどですね。カメラは通常6台ぐらい。同じ被写体を様々な角度から撮るので、出演者の人数によっては12台だった時もあります。撮影の設定も手持ち、三脚、ジンバルなどいろいろですね。
──イジマさんにとってマルチカメラの面白さはどこにあると思いますか。
イジマ マルチカメラは出演者にカメラを意識させないこと。出演者にはリアルに存在してもらいたいという監督の意図から始まりました。
例えば2人が話しているシーンがあったとすると、普通は切返しで2度撮るのですが、そういうものも一度で収録できる。それによって、より自然な流れで撮ることができます。
企画に沿って同じことを何度も何度も演じてもらうのではなく、リアルタイムで収録しようというのが監督の狙いです。
マルチで収録しているので30秒CMなら30秒で終わるんだろうと思うかもしれませんけど、大体1時間ぐらい回しているので、コンパクトで自由度が高く、高性能なカメラの存在はありがたいです。
──EOS C300 Mark llで気になっている点はありますか。
イジマ EOS C500はグリップがなくて使いづらかったんですけど、EOS C300 Mark llは(EOS C300よりも)グリップが良くなって手持ち撮影しやすくなりました。D.I.Tの櫻井さんからAFがいいと聞いているので使ってみたいと思います。
最近の仕事:アサヒビール クリアアサヒプライムリッチ、LAWSON 三世代ローソン、森永乳業 PARM、花王 クイックルワイバーハンディ、FREETELニクキュー篇、REI篇、カルビー フルグラ、眼鏡市場 レンズ篇、お正月篇
EOS C300 Mark llはAFの精度が高く、絵に集中できます
櫻井隆行(D.I.T)
CMはスタジオでかっちり撮ることが多いので、どうしても画一的な絵になってしまいます。商品を身近に感じてもらうには作り込まない映像がいい。そんな監督の狙いからクリアアサヒではマルチカメラを選択しています。マスターショットと寄り引きとなると1人に対して3台は必要になる。出演者によっては最大12台ということもあるんですけど、色調整などの問題もあり、カメラをCINEMA EOS(当初はEOS C300)に統一してCanon Log収録していました。その後4K収録のできるEOS C500とEOS C300 Mark llも使用しています。4Kはあとでリサイズが必要な場合はもちろんですが、泡とか商品カットなどシズルにこだわるシーンで使用しています。
マルチカメラはそれぞれがワンマンオペレートなので、いかにコンパクトな機材で被写体を追いかけられるかというのが重要になってきます。EOS C300 Mark llはその機能を活かして使用することが多いです。特にAFは精度が良くて、絵に集中できますね。EOS C300 Mark llにジンバルを付けて手持ちで商店街を走ったこともありましたけど、機動力もあって狙い通りの撮影ができました。
様々なCMのほか、「脳男」など映画でもD.I.Tとして活躍。このアサヒビール クリアアサヒはシリーズスタート時から参加している。
協力:キヤノン(株)/キヤノンマーケティングジャパン(株)
CINEMA EOS SYSTEM ホームページ canon.jp/cinema-eos
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