2021年12月22日
製品発表時から話題を集めてきたフルサイズミラーレスカメラEOS R3。新開発のフルサイズ裏面照射積層型CMOSセンサーと映像エンジン「DIGIC X」によって、最高約30コマ/秒の高速連続撮影と高画質を両立。さらにAF性能での速度・精度・範囲、追従性がさらに向上している。 このR3の高速連写の威力をKAZUKI TAKANOさんに体験してもらった。
※クリックすると写真が拡大表示されます。
RF24-70mm F2.8 L IS USM(48mm) 1/1000秒 f5.6 ISO 3200
──EOS R3で体操演技中の超高速・動体撮影に挑んでもらいました。
TAKANO 高速連続撮影・最高約30コマ/秒という数値は、撮影前からとてもインパクトがありましたが、実際撮影してみるとそれ以上の衝撃がありました。
EOS R3は、肉眼では捉えられない演技中の繊細な動きも、撮り逃さないですね。人物よりも動きが速いロープの動きもしっかりと切り取ってくれます。これまでEOS R5やEOS-1D X Mark IIIでも充分満足がいく高速連続撮影ができていると思っていましたが、EOS R3は全く別次元です。
広告撮影でアスリートの動き撮る場合、限られた回数しかトライできないことも多いので、これなら細かな動きを逃さず撮影できるし、とても安心感があります。
RF24-70mm F2.8 L IS USM(24mm) 1/1000秒 f4.5 ISO 3200
──特長の1つであるブラックアウトフリー撮影は体感できましたか?
TAKANO 連続撮影開始の合図として、ワンショット目がブラックアウトする仕様になっているんですね。その後は完全にブラックアウトフリーになり被写体の動きを見失うことなく、目で追いかけられるのでとても快適です。
僕が撮影した限り、ファインダーのちらつきやシャッター遅延もなくストレスを感じませんでした。高速連続撮影中でもAFスピードがとても速いし、被写体を一度掴んだら離さない。団体演技中でも、1人を迷わず追い続けてくれます。
演技中、被写体の頭が隠れた時は、胴体を追いかけ続けてくれているので、頭部に戻る速度も早くピントの迷いもありませんでした。
RF24-70mm F2.8 L IS USM(24mm) 1/1300秒 f3.5 ISO 2000
──EOS R3では瞳・頭部に加えて、胴体検出機能も追加されました。また、高速連続撮影に対応できる新しいAFシステムが搭載され、より高速かつ広範囲なAFと高画質が両立しています。
TAKANO 高速連写やAF性能も衝撃でしたが、特に驚いたのがノイズの少なさです。団体演技の写真は、ISO3200で撮影していますが、ノイズが少なく画質がとても綺麗です。シャッタースピードを稼ぎたい時、例えば今回のようなスタジオ以外で動きを撮る場合、ノイズをそれほど気にしなくても感度で調整できるのが嬉しいです。
僕はこれまで、動く被写体といえばEOS-1D X Mark IIIを使っていましたが、EOS R3はEOS-1D X Mark IIIに比べて400万画素、数値が上がっているのもありがたいです。最近の広告撮影ではトリミング前提で撮影することが多いし、特に動体撮影では余裕を持ったフレーミングをすることが多いですから。操作面では、バリアングル機構がロー・ハイとアングルの可動域を広げてくれて、便利です。広告でアスリートの動きを撮る場合、報道写真とは違った見せ方を狙って、至近距離でローアングルから撮ることが多いんです。以前は、地面に転がって撮影していましたが、身動きが取りづらく限界があったので助かります。
僕らプロフォトグラファーにとってのREOS R3の魅力は、別次元の連続高速撮影ができるだけでなく、AF機能、高画質、手ブレ補正、カメラ機構といくつもの要素が複合的に集まっていることだと思います。
撮影協力:国士舘大学 男子新体操部
HM:奥平正芳
KAZUKI TAKANO
長野県生まれ。広告写真分野でのスポーツフォトやポートレイトで活動中。
主な仕事:コカ・コーラ ボトラーズジャパン「チーム コカ・コーラ東京2020キャンペーン」/みずほフィナンシャルグループ「羽田空港国際線旅客ターミナル 東京2020オリンピック・パラリンピック応援ボード」/Squarepusher「Terminal Slam」Music Video
https://www.kazukitakano.com/
EOS R3
EOS初35mmフルサイズの裏面照射積層CMOSセンサーとDIGIC Xとの連携によってR5から階調表現や解像感がさらに向上。最高30コマ/秒の高速連写(電子シャッター時)に加え、Rシリーズ最速0.03秒のAFスピードを実現した。また、撮影者の視線を検出し、任意の場所にAFフレームやエリアを移動させる新機能「視線入力機能」も搭載している。有効画素数は約2,410万画素。
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