2022年09月30日
フルサイズミラーレスカメラをメイン機として使うのは初めてという角田明子さん。今回、角田さんにはスタジオでのウエディング テーブルフォト撮影を通し、R5とRFレンズの高感度性能、手ブレ補正効果を体験してもらった。
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使用レンズは全てRF50mm F1.2 L USM 1/1300秒 f/2.2 ISO12800
──撮影テーマを教えてください。
角田 ブツ撮りのお題をいただいたので、テーマ性を持たせたテーブルフォトを想定して撮影することにしました。
今回、選んだテーマは不思議の国のアリスです。といっても、アリスの世界をそのまま再現するのではなく、ウェディングの要素を入れたくて判治ミホさんのスタイリングで、ルイス・キャロルの原作に近いイメージで大人っぽく仕上げていただきました。
EOS R5の機能で特に私が試したかったのが、高感度性能や手ブレ補正効果です。天気が悪い日に自然光だけだと心配なスタジオで手持ち撮影と、あえて難しい条件の中撮影しています。
1/1300秒 f/5.6 ISO12800
──R5とRFレンズの性能はいかがでしたか?
角田 今回は高感度での画質も試したかったので、実験的にISO感度ググッと上げて、ISO12800で撮影しました。
仕事ではこれほど高い設定で撮ることは滅多にありませんでしたが、こんなに綺麗に撮れるんですね。高ISO感度なのにノイズも少なく、色も綺麗に出ています。拡大してみても、ノイズも少なく立体感を損なわず、違和感がありません。
蝋燭を置いている棚の中の部分は、現場では影になっていてとても暗かったのですが、撮影後シャドウ部を持ち上げても、デジタルっぽいざらつきがなく今回の写真のようなアンティークな雰囲気に上手くマッチしています。
コントラストのつき方も自然でわざとらしさがありません。撮影後、色や明るさを調整をしましたが、元の色がとてもナチュラルなのでレタッチ作業もしやすいかったです。
──手ブレ補正効果はいかがでしたか?
角田 ISO感度を上げたのでシャッタースピードを稼げていたこともありますが、それを差し引いてもすごく優秀ですね。
私がメインで使っているEOS 5D Mark IVだと三脚を使わないと厳しいかな〜と思う場面でも、EOS R5は手持ちでバッチリですね。ボディとレンズ、どちらも手ブレ補正機能が備わっていると聞いていましたが、手ブレの心配が全くなく、快適でした。撮影に集中でき、気持ちの余裕が生まれるのでフォトグラファーにとってはありがたいです。
特に感動したのはAFエリアの広さです。EOS R5って、これほど画面の端までピントが合うんですね。一度使ったら一眼レフには戻れないかもしれません(笑)。
撮影中の様子。スタジオ内は時折窓から差し込む自然光のみで撮影している。DPPでワイヤレスでのテザー撮影だったので、バリアングルモニターでアングルを探る。
──Digital Photo Professional(以下DPP)を使ってのワイヤレス テザー撮影、現像、書き出しまで試していただきました。
角田 jpgデータをワイヤレスでPC側へ飛ばし、RAWデータはカードに入れて撮影しました。DPPでのテザー撮影の設定は初めて使いましたが、データ転送もスムーズでした。普段は他のソフトウェアをメインで使っていますが、いざ撮影に入った途端に突然トラブルが起きることってありますよね。
今回DPPを試してみて、仕事現場でのテザー撮影用として充分使えることがわかったので、リスク回避のサブソフトウェアとしてDPPをインストールしておくと安心ですね。
──スタジオでのテーブルフォト以外にRシステムで試したいシチュエーションはありますか?
角田 ぜひ旅写真やロケ撮影で使ってみたいです。特に条件の悪い旅の撮影では、より威力を発揮してくれると思います。旅企画の内容によっては、電気がほとんど通っていないような地域に行くこともあります。暗所で撮影することも多く、特に手ブレが気になっていたんです。次回行く機会があったら、EOS R5で試してみたいです。
できるだけ荷物を減らしたいのに、悪条件なもの、機材も増えてしまうんですよね。RFレンズの望遠はサイズ・重量的にも扱いやすい重宝すると思います。長くキヤノンユーザーなので、EOS R5のようなカメラが出るのを待っていてよかったです。新たな機材と出会えて、良い体験ができました。
ST:判治ミホ
角田明子(つのだ・あきこ)
1976年東京生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。広告をはじめ、雑誌や書籍、写真展開催など様々な分野で活動している。
Web:www.akikotsunoda.com
Instagram:@akiko_tsunoda
EOS R5
約4500万画素35mmフルサイズCMOSセンサーと映像エンジンDIGIC Xを搭載。静止画での常用ISO感度は100〜51200を達成した。デュアルピクセルCMOS AF IIによってAF性能が大幅に向上。人物の瞳・顔に加え、頭部検出も可能に。映像エンジンDIGIC Xにより、最高約20コマ/秒の高速連続撮影(電子シャッター時)やカメラとレンズの協調により、最高8.0段の手ブレ補正効果を実現。
製品の詳細:https://cweb.canon.jp/eos/your-eos/product/eosr/r5/