4K入門 高精細映像の世界

4Kケーススタディ④ シャープ AQUOS UD1「AQUOS REAL LIVE」

写真:コマーシャル・フォト2013年9月号
コマーシャル・フォト2013年9月号の第1特集は「超高精細映像 4K入門」。4Kの特徴を活かしたテレビCMやミュージックビデオの制作事例、4Kの基礎知識、実写テストなどを26ページにわたって展開すると共に、表紙の写真もデジタルシネマカメラRED EPICで撮影するなどして、4Kが持っている様々な可能性を探っている。この特集の内容をShuffle読者のために特別公開する。

暗闇の中でのパフォーマンスをクリアな映像で再現

シャープ AQUOS UD1「AQUOS REAL LIVE」

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40秒の店頭用プロモーション映像。敢えて暗い環境下で撮影し、UD1に映り込みが少ないことをアピール。Webでは見られないプロモーション用映像限定のカット。

シャープの4K対応液晶テレビ AQUOS UD1シリーズのプロモーションとして“「ありのままの臨場感」「圧倒的なリアル感」を体感せよ。”をキーワードにWebと店頭映像を連動したキャンペーンを展開している。

Webムービーは須藤元気氏率いるダンスユニットWORLD ORDERのパフォーマンスを360°どこからでも自由に見られるインタラクティブ型コンテンツだ。ユーザーがマウスやWebカメラの動態検知機能により顔の動きでアングルを操作することも可能だ。自分の意思でカメラアングルを動かし、見る側はまるでその場にいるかのように視点を変化することができる。これまでのWORLD ORDERのパフォーマンスの映像は真正面にカメラ位置を固定し一定方向から撮影したものが多かったが、彼らの新たな試みとして360°どの角度からでも楽しめる振り付けを開発していたこともあり、本企画につながったという。

「実際、見る側の誰もが4Kモニタを持っているわけではないので4K映像を個々のWebユーザーに届けようとしてもなかなか難しいのが現状です。今回の企画の中で、Webの役割が何かを考えた時に4K映像の美しさは店頭のプロモーション映像で体験してもらうことにして、Webでは臨場感やリアル感をどう表現するかに重点を置きました。Webでは、どうやって4Kモニタで視聴できる店頭へ誘導するかがポイントでした」(ワン・トゥー・テン・デザイン 水谷秀明氏)。

撮影現場では、円形のステージ上で演技するWORLD ORDERの周りを32台のCANON EOS 7Dで囲み32アングルから同時撮影。HDサイズで撮影したものを編集で4Kサイズに。また今回映像ディレクター江里口徹平氏が開発し、特許を取得している360°立体映像技術「Cuvie(キュービー)」を用いてより立体的な映像に仕上げた。

一方、店頭用プロモーション映像にはSONY Cine Alta F65を使用している。スタッフにとって4K撮影は初めての体験。そこで大型シアター向け映像や高画質映像などを扱っている映像制作会社スタジオビビッドが4K映像用カメラの手配・オペレーションを担当した。

「今回のような暗い環境下での撮影は当然画質にも影響し、ノイズ感が目立ってしまいがちです。そこで今回は自社所有のSONY Cine Alta F65と4K撮影の経験を活かしてノイズ感をかなり軽減することができました。色情報や再現情報がとても多いので編集のカラーグレーディングの段階で追い込むこともでき、映像クオリティ的にも監督に納得いただけたかなと思います。これから映像クオリティがどんどん追求されていくんじゃないでしょうか。いろんな用途に使われたり、クリエイターが求める色彩やエモーショナルな表現ができる環境が整いつつあります。これからの発展が楽しみです」(スタジオビビッド 小阪圭一氏)。

4Kモニタの映像ではどういった仕上がりになっているのか?

「暗い中の撮影とはいえアウトラインがしっかりと出ています。WORLD ORDERが着てるスーツの質感や髪の毛一本一本もわかるくらいです。今まで観ていたパフォーマンスとは迫力が違いました。特に彼らの象徴的なポーズである千手観音はかなりインパクトが強かったです」(demand 江里口徹平氏)。

「4K映像のクオリティの高さに加えて、今回はこのモニタの存在が大きいと思います。シャープのUD1は映り込みが少ないモスアイパネルを搭載されているので黒の階調がしっかりと出やすく、再現性が高いんです。是非店頭でご覧になっていただきたいですね」(ワン・トゥー・テン・デザイン 松重宏和氏)。

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Web映像。32のアングルを自由に切り替え、360°からパフォーマンスを見ることができる。円形ステージの周囲をCANON EOS 7Dで囲み、天カメはGoProを使用している。

使用カメラ
img_products_4k_EOS7d.png CANON EOS 7D
img_products_4k_F65.png SONY F65

企画制作=シャープ+ワン・トゥー・テン・デザイン+デマンド+スタジオビビッド CD+PM+Dir=松重宏和 AD+D=久保 博之 PR+企画+C=水谷秀明 PR+Cas=住本宜子 PR+企画=澤邊芳明 映像監督=江里口 徹平 4K映像PR=小阪圭一 4K映像技術=松田考司 撮影=スズキ マサヒロ 照明=斉藤徹 PM=中村崇・斉藤 基樹 編集=山本 徳・カシ マサフミ 企画=綿野賢 演出=富永省吾 モーションデザイナー=飯塚正幸・小野友資 ME=江見政亮 PRG=松井朋毅 技術協力=飯島理・白本雄二(nide.inc) 出演=WORLD ORDER


※この記事はコマーシャル・フォト2013年9月号 特集「4K入門」を転載しています。

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