4K入門 高精細映像の世界

4Kケーススタディ② 特別展「京都−洛中洛外図と障壁画の美」 龍安寺石庭4K映像

写真:コマーシャル・フォト2013年9月号
コマーシャル・フォト2013年9月号の第1特集は「超高精細映像 4K入門」。4Kの特徴を活かしたテレビCMやミュージックビデオの制作事例、4Kの基礎知識、実写テストなどを26ページにわたって展開すると共に、表紙の写真もデジタルシネマカメラRED EPICで撮影するなどして、4Kが持っている様々な可能性を探っている。この特集の内容をShuffle読者のために特別公開する。

4台の4Kカメラで定点撮影をして横幅16mのスクリーンで上映

特別展「京都−洛中洛外図と障壁画の美」 龍安寺石庭4K映像

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img_products_4k03_03.jpg ©NTV

10月に東京国立博物館平成館で開催される特別展「京都−洛中洛外図と障壁画の美」。この展示の目玉のひとつとして現在撮影が行なわれているのが龍安寺石庭の4K×3面マルチ映像だ。龍安寺の庭にEOS C500を4台設置し、四季折々の庭の移り変わりを収録し、会場では約4m×16mのスクリーンで上映される。

img_products_4k03_04.jpg EOS C500を1枚の板に乗せてセッティングしておいて、撮影可能な時間に素早くセッティングできる仕組みを作った。4台のカメラからの映像を合成して、約10Kの映像を作り出す。
撮影:中島光行

「昨年の秋から、冬、春と撮影していて、これから夏を撮影します。龍安寺を撮影できるのは拝観時間外の朝8時までと夕方の17時半以降という明かりがない時間帯に限られるので、かなり条件は厳しいですね。特に今回撮る被写体はパンフォーカスで、深度も深く、撮って見たいものができるだけくっきり見えるように心がけました。朝と夕方に地明かりで撮るとなるとそれほど絞れません。C500なら、ISO感度が850だとダイナミックレンジを残して撮れるので、そこは助かりました。フィックスの画なので無風状態だと静止画のようになってしまうのも悩みでした。光や色、庭の表情など、季節や時間帯によって少しずつ変化していくんですね。番組などではフィックスを撮ることはほぼないので最初は戸惑いましたが、大画面で見て初めて微妙な変化を楽しむ画作りが成立するんだなということが実感できました」(日本テレビ 技術統括局技術開発部 甲斐創氏)。

使用カメラ
img_products_4k_-EOSc500.png CANON EOS C500

特別展「京都−洛中洛外図と障壁画の美」2013年10月8日〜12月1日、東京国立博物館平成館で開催。03-5777-8600 龍安寺石庭の4K映像のほか、国宝・重要文化財指定の洛中洛外図屛風7件、二条城の障壁画全84面、旧龍安寺方丈の襖絵18面等を展示。


※この記事はコマーシャル・フォト2013年9月号 特集「4K入門」を転載しています。

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