製品レビュー

Aputure新型ライト amaran Sシリーズ & PTシリーズを検証する|vol.2

撮影:蒲生ヒロマサ(UN)/解説:黒川隆広

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演色性の向上、フルカラー対応、ワイヤレスコントロールなどなど日進月歩のLEDライト。
今回は蒲生ヒロマサ氏(UN)の協力の下、3月に発売されたAputure社の新型ライトリフレクタータイプのamaran 60x S、100x S、200x S、チューブタイプのamaran PT 1c、PT 2c、PT 4cを使い、スタジオでのスチル&ムービー撮影の検証を行なった。

▶▶前回はこちら

Cut 04:スチル撮影

img_tech_amarans02_01.jpg 撮影データ カメラ:Sony α7R IV/f8 1/25秒 ISO800

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左サイドから100x S(❶❷)、銀ボードの上に30cmのPT1cを2本(❸❹)立てて、上から60cmのPT2c(❺)。❻は120cmのPT 4cで、奥の壁際に上向きでセット。ハンディライト(❼)でスポットを入れる。
使用ライト:amaran 100x S×2灯(❶❷)/amaran PT1c(❸❹)/amaran PT2c(❺)/amaran PT 4c(❻)


それぞれのライトの光を見る

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左サイドからの100x Sにバーンドアを付けたライト❶❷。

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ライト❸❹。人形の両サイドに立てた30cmのPT 1c。

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ライト❺。人形の上にセットした60cmのPT 2c。

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ライト❻。奥の壁際にセットした120cmのPT 4c。背景に光を入れる。

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ライト❼。手持ちのLED懐中電灯で中心の人形にスポットを打つ。

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PTシリーズはUSB充電式なので、ケーブルを気にせずセット内に立てたり、底面のネジ穴で三脚やアームに取り付けたりが可能。

img_tech_amarans02_09.jpgソフビ人形協力:GYAROMI

被写体のソフビ人形は、レタッチャー兼ソフビクリエイター藤目鉄平氏の作品。GYAROMIの名前で、ダウンの中に潜む怪物、クトゥルフオイドシリーズを展開中。
twitter.com/gyaromi

Cut 05:ムービー撮影

img_tech_amarans02_10.jpg *画像をクリックするとUNのサイトで動画が見られます。

スチルと同じセットでのムービー撮影。ライト構成も同じだが、ムービーでは、奥の壁際のPT 4cを点滅させ、セット上のPT 2cと手持ちの懐中電灯を動かしながら、カメラもスライドしている。


amaran PTシリーズ 解説 黒川隆広

PTシリーズは長さ30cm、60cm、120 cmのチューブ型マルチカラーLEDライト。RGBWWのLED素子を搭載し、フルカラー光の再現が可能。色温度も2,700Kから10,000Kまで対応する。

最大の特徴は、LEDの特性を活かした多彩な発光設定。前述したフルカラーの調色だけでなく、色を変化させながらの点滅とその点滅間隔の調整、レインボーカラーなどの設定が、アプリを介して簡単にできる。

USB充電式、他のライトのような発熱もないので、手持ちも可能。自由度の高いセッティングができる。

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amaran PT 2cのコントールパネル部分。

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【3つの長さの高機能チューブライト】型番の数字はフィートを表し、PT 1cが30cm、PT 2cが倍の60cm、PT 4cが120cmとなっている(1フィート=30.48cm)。白色光からカラー光まで色を自在にコントールでき、さらに写真のようなグラデーションカラー、そしてそのグラデーションを動かすことも可能。

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【チューブの向きでグラデをコントロール】蛍光灯のように円筒全周が光を発するのではなく発光面は片側180°のみ。そのため円筒を回転することでグラデのコントロールが可能。写真左はPTの側面を向けてハイライトの境界をシャープに出した。写真右は発光面の頂点を向けてハイライトにグラデを作っている。

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【軽量なので設置も自由自在】PT 2cの重量は約705g。片手持ちでも疲れない重さだ。両端にはネジ穴があり、大ネジダボや自由雲台などに設置できる。また強力なマグネットが埋め込まれていて、鉄製の三脚のポールやホワイトボードなどに直接ライトを付けることもできる。

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【スマホで発光色をピックアップ】便利なのがスマホで拾った色をPTに反映させる機能。被写体やモデルの服と同じ色の光が作れるだけでなく、上の写真のように室内の蛍光灯から色を拾えば、ロケ撮影の地明かりにライトの色を揃えることも可能。さらに設定した色は記録しておいていつでも再現可能。


蒲生ヒロマサ×黒川隆広
「LEDライトの可能性を語る」

黒川  最近はブツ撮りのスタジオでも、商品のスチル撮影と一緒に動画を撮る機会が増えてきました。

だけどこれまでは静止画で使うストロボと、CM撮影などでよく使われるHMI(太陽光に近い光成分の定常光ライト)では、同じ表現ができないという問題があった。

そこで今回は、以前からスチル撮影、動画撮影を手がけ、HMI撮影の経験も多い蒲生君に、Aputureの新型LEDライトを使ってもらったわけですが。

蒲生  同じライトでスチルとムービーを撮れるというのは、便利ですよね。HMIは熱の問題があって、被写体に近づけての撮影ができない。

今回の時計のような小さな被写体でストロボのようにグラデーションをコントロールしようとしても、HMIはライトの熱でディフューザーの乳白アクリルが溶けてしまったり、化粧品の撮影では口紅が汗をかいてしまったり、色々と苦労があったから。

黒川  リフレクタータイプの「x S」はサイズが小さいのもいいですよね。本体のサイズだけでなく光自体がコンパクト。

通常のストロボは「人物も撮れて、ブツも撮れて…」というサイズだから、時計のような小さな被写体の撮影には、光が大きすぎるんですよ。

それにリフレクターを付けて光の状態を見ると、ちゃんと光に芯がある。ブツ撮りの場合、乳白アクリルのボード越しに光をあてることが多いけれど、光に少し芯がある方がハイライトの中にグラデーションを作ることができていいんですね。

多分、これまでのストロボの光質をきちんと研究して、開発したんじゃないのかな。

蒲生  手元のアプリを使って全体を見ながら光をコントロールできるのも魅力ですね。ライト100台まで管理できるんでしたっけ? すごいですよ。

ストロボでもワイヤレスコントールができる機種はあるけれど、ストロボの場合、モデリングライトとストロボの発光って、光のまわり方とかが違うじゃないですか。それを僕らは経験値で補ってきたけれど、LEDならホントに「見たまま」が撮れる。

アプリ画面のスライダーで出力を調整するのですが、クリックじゃなくて10%、20%って指先で感覚的に光をコントロールできるというのも、自分には合っていた。

黒川  その辺は慣れですよね。チューブ型のPTはどうでした?

蒲生  長い直線的なハイライトを入れるのに、昔は蛍光灯のキノフロライトをよく使っていましたよね。ブツ撮りでは、こういう形のライトがあると便利ですよ。

ソフビの撮影では長さの違う3本のPTを使って、未来的な空間を作ってみたけれど、ビニールの質感を上手く再現してくれました。カラフルなソフビと色がぶつかってしまうから、今回はあえて白色光のみで撮影したけれど、チューブの色も自在に変えられる。

黒川  スマホで、色を拾う機能は凄いですよね。

蒲生  いわばカラーメーターを内蔵したライト。たとえば夕日の浜辺にロケに行って、その夕焼けと同じ色の光を補助光として入れられる。他のライトと組み合わせて使うときも、ライトの色を合わせて撮影ができます。

黒川  そこが一番のメリットですよ。

蒲生  これで水中でも使えるようになると、面白いと思うけれど。

黒川  年に何度、そういう撮影があるかわからないけれど。

蒲生  でも、PTはそうした撮影のアイデアが色々と沸いてくるライトですね。

黒川  瞬間撮影や、ストロボと定常光の併用でブレを作るなど、ストロボでしかできない表現はありますが、LEDなら静止画と動画が同じ表現で、シームレスに撮影できます。

だから、これまでストロボを使い「ライティング力」で一発撮りの写真を撮ってきたスチルライフのフォトグラファーにこそ、LEDを使って動画撮影に挑戦して欲しいと思うんですよね。

img_tech_amarans02_16.jpg 蒲生ヒロマサ氏(右)と黒川隆広氏(左)。

蒲生ヒロマサ

1986年 (株)ハヤサキスタジオ入社。1989年(株)アーバンパブリシティ(現amana)入社。2001年 (株)アン設立。人物、商品、料理、飲料、それぞれの魅力に合わせたスタジオライティングを得意とする。


黒川隆広

amanaにて30年間、商品撮影を中心に活動。2016年退社後、アライアンス社員として連携。現在は大手ECサイトの商品撮影講座開催、写真の学校特別講師他、セミナー、イベントで写真の学びの場を提供。個別レッスンも開催。



株式会社 アン

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今回、撮影協力をお願いした蒲生ヒロマサ氏が代表を務める「UN」(アン:UN.inc)は、2001年4月設立。広告を中心とするビジュアル制作会社として培った技術と経験を活かし、現在、プロデューサー3名、フォトグラファー8名、レタッチャー2名の体制。 「欲しくなる、触れたくなる、心に響く写真映像をめざす」をモットーに、商品から人物まで静止画・動画の撮影を行なっている。


東京都港区芝大門2-11-4
URL www.un-photo.com
Mail contactsuru@un-photo.com



※この記事はコマーシャル・フォト2023年5月号から転載しています。


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