製品レビュー

【解析特集】高解像度・高速連写を両立させたオールマイティなフラグシップ機 SONY α7R lll ①

解説・撮影:中村雅也(凸版印刷 TICフォトクリエイティブ部)

2017年11月に発売されたソニー「α7R lll」。高画素モデル「α7R ll」の後継機であり、「α9」の高速性能などを取り入れた万能タイプともいえるミラーレス一眼だ。今回はα7R llとの比較を含めα7R lllのスペックを検証していく。

写真表現の核心に迫るミラーレス一眼

2017年11月。スピード性能と、描写性能に磨きがかかった、フルサイズミラーレス一眼「α7R lll」が登場した。有効約4240万画素を十二分に発揮する、裏面照射構造の「Exmor R(エクスモア アール)」COMSセンサーを搭載。画像処理エンジン「BIONZ X(ビオンズ エックス)」の進化により、従来機の「α7R ll」に比べ、およそ1.8倍の高速処理を実現。スピード性能、質感描写、肌色再現性の向上や、中感度域で約1段分のノイズ低減などと、フォトグラファーにとって、まさに核となる部分の性能の向上に期待値が高まる。

また、16bit画像処理後14bit RAW出力への対応や、約369万画素の「Quad-WGA OLED Tru-Finder(トゥルーファインダー)」の搭載、レンズマウント部やグリップ部などの強化、およびシャッターユニットの耐久性の向上なども、プロフェッショナルな領域へと本格参入し始めたαシリーズの意気込みが感じれらる。

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ソニー α7R lll

マウント:ソニーEマウント
撮像素子:35mmフルサイズ(35.9×24.0mm)、ExmorR CMOSセンサー
有効画素数:約4240万画素
静止画ISO感度:ISO100-32000(拡張下限ISO50、上限ISO102400)、AUTO(ISO100-12800、上限下限設定可能)
動画ISO感度:ISO100-32000相当、AUTO(ISO100-12800 相当、上限下限設定可能)
静止画シャッター速度:1/8000-30秒、バルブ
動画シャッター速度:1/8000-1/4(1/3ステップ)、AUTO 1/60まで、オートスローシャッター1/30まで
手ブレ補正:5.5段
連続撮影速度:Hi+・最高約10コマ/秒、Hi・最高約8コマ/秒、Mid・最高約6コマ/秒、Lo・最高約3コマ/秒
液晶モニタ:3.0型TFTタッチパネル
外寸:約126.9×95.6×73.7mm
質量:約572g(本体のみ)
市場推定価格:370,000円前後(税別)

最高10コマ/秒のAF/AE追随高速連写。撮影エリア約399点像面位相差AFセンサーに加え、425点のコントラストAFによる機動力や、高解像度4K動画撮影、HDR映像制作対応などにより、幅広い分野での活躍も期待できそうだ。

αシリーズにおいて、目玉の機能といえる「瞳AF」。「α7R ll」と比べ、検出精度、速度、追従性能がおよそ2倍となっており、人物撮影時のアドバンテージが向上。ボディ内手ブレ補正も5.5段分とブラッシュアップされ、スチル撮影だけでなく、動画撮影における手持ち撮影時においてもますます心強くなった。


専用ソフトウェア Imaging Edge

ソニー純正のソフトウェア「Imaging Edge」も新登場。画像を一覧で閲覧が可能な「Viewer」、RAW現像を行なう「Edit」、リモート撮影に対応する「Remote」の3つのソフトで構成されている。純正のソフトウェアは、レンズ補正データや、クリエイティブスタイルといった、撮影時におけるフォトグラファーの意図を反映させることができるので、非常にありがたい。汎用の画像処理ソフトウェアと比べると、まだまだ進化の余地を残すが、充分に使い勝手が良い。

img_products_sony_α7R3_rev_05.jpg高品質な現像画質を実現したRAW現像ソフトウェア「Edit」。露出補正、カラーバランスなどの設定は勿論、2画面表示による、調整前、調整後の画像の表示も容易に行なえる。レンズ補正データの読み込みも純正ならではの強み。

 

USB Type-Cによる快適性

USB3.1 Gen1対応USB Type-C端子の搭載も、PCへ画像を転送する際、ストレスが少なく喜ばしい。微細なずれも命取りとなる物撮影時においては、ソフトウェア「Remote」とのマッチングにより、一段と撮影に集中できるようになった。

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高速なデータ転送を可能とするUSB Type-C。裏表なく接続できる仕様は、暗い環境下でのスタジオ撮影や、夜景撮影時でも差し込み口を確認する手間が省け、ストレスが少ない。


画質性能、操作性能の向上により、進化を遂げた「α7R lll」。新機能の「ピクセルシフトマルチ撮影」含め、スタジオでの人物、物撮影でその実力に迫ってみた。



Point 1 高感度性能

ISO1600での撮影における画質性能

常用ISO感度を最高32000まで高めた「α7R lll」。従来機の「α7R ll」は最高ISO25600だ。中感度域で約1段分のノイズの低減を実現している。

img_products_sony_α7R3_rev_07.jpg※画像をクリックすると別ウィンドウで本データを表示
常用ISO感度が32000まで向上はしたが、環境光によってはISO1600時において多少ノイズが感じられることがあるので、撮影時はモニターでしっかりと確認することが大事だ。

上の写真は、ISO1600での撮影。有効画素数約4240万画素と高画素機でありながら、目元および、首元などのシャドウ部にもノイズが見受けられなかった。髪の毛の一本一本も丁寧に描写され、偽色の発生もなく自然な仕上がりに。フォーカスの合っている目元もシャープな印象だ。中間度域も積極的に活用していきたい。

検証用に「α7R ll」とも比較してみたが、等倍サイズでの比較において、まつ毛や肌の質感はノイズも少なく、しっかりと再現できていた。


Point 2 高速性能

AF/AE追随最高約10コマ/秒の高速連写

最高およそ10コマ/秒。最大76枚の連写持続性能を備えた「α7R lll」。内部処理システムの高速化や、UHS-llの採用により、機動力が大幅にアップ。データ書き込み中もメニュー画面の操作ができる(一部制限あり)ようになっている。

「α9」に搭載された、マルチセレクターも操作性に貢献してくれ、動きのあるポートレート撮影でも効率よく撮影を進行することが可能。高画素数のため、PCリモートで撮影を行なうと「Remote」の処理性能ではまだ対応が間に合わず、SDカードを使用してデータコピーを行なった。

連続撮影モードも、10コマ、8コマなど変更が可能なため、シーンによってコマ速を変更することをおすすめする。


α7R lllの高速連写

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連続撮影可能枚数も、圧縮RAW時は約76枚であるが、非圧縮RAW時は約28枚となるため、10コマ/秒を最大限に活かしたい場合は、記録方式の設定の確認もしっかりと行なうことが重要だ。


>【解析特集】高解像度・高速連写を両立させたオールマイティなフラグシップ機 SONY α7R lll ②につづく



中村雅也(なかむら・まさや)
1977年生まれ。2000年中央大学文学部卒業。2007年凸版印刷入社。トッパンアイデアセンターフォトクリエイティブ部所属。コマーシャルフォトを中心に活動中。静止画のみならず、動画制作も手がける。


※この記事はコマーシャル・フォト2018年2月号から転載しています。


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