Blackmagic ケース・スタディ

トライベッカ映画祭受賞作「Burning Cane」URSA Mini Proで撮影

ハンドヘルドを多用し、ドキュメンタリーのようなショットを捉えた

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2019年トライベッカ映画祭ベスト・ナラティブ賞受賞作「Burning Cane」の撮影には、Blackmagic URSA Mini Pro 4.6KおよびProduction Camera 4K、カラーコレクションにDaVinci Resolve Studioが使用された。監督を務めたフィリップ・ユーマンズ氏はニューオーリンズの映像制作者で、年齢は19歳。同賞を受賞した最年少かつ初めてのアフリカ系アメリカ人となった。

「Burning Cane」は、ユーマンズ氏の初の長編映画。ルイジアナ州南部の片田舎に多大な影響を与えている、宗教的信念を掘り下げていく。神を恐れる1人の母親、無職の息子、塞ぎ込んだ牧師の物語となっている。

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ユーマンズ氏は、同作の脚本、監督、撮影、共同編集を行ない、メインカメラにURSA Mini Pro 4.6Kを使用、登場人物の日々の生活と、美しいローレルバレイの自然を撮影した。撮影は、ハンドヘルドと簡素なリグを入り混ぜたスタイルで行なわれた。

「この作品において最も重要視したことは、この町に住む登場人物を人間性を持たせて描くことでした。『Burning Cane』をドキュメンタリーを見ているような感覚を生み出す作品にしたかったんです。そういった理由で、ハンドヘルドを多用し、自然で実用的な照明だけを使用しました。

また、ハンドヘルドでは否定し難い生々しさを感じられるショットが得られます。そういった意味で、本作の私の構想を映像に上手く反映できたと思います」(ユーマンズ氏)

同作の最も非現実的とも言えるショットは、タイトルの撮影時にキャプチャーした映像だ。これは、サトウキビ畑が燃える様子を捉えたもので、新しいサトウキビを植える前に毎年恒例で行われている農作業の1つだ。同氏は、プロデューサー兼ADのモーズ・メイヤー氏とプロデューサー兼第1ADのオジョ・アキンラナ氏と共に、黄昏時に撮影を行なったが、非常に限られた時間内で必要なイメージを撮影する必要があったと語る。

「URSA Mini Proの内蔵NDフィルターとRAW収録を使用したため、離れた場所で燃え盛る炎の赤、オレンジ、黄色を、イメージ全体のトーンを崩すことなく、ポストプロダクションで完全に引き出すことができました。深く生い茂るサトウキビ畑の中をかき分けて撮影を行なったので、効果的なハンドヘルドのショットを得るためにカメラは極めて重要でした。

また、より感情に訴えるようなショットを得るために、スタビライザーやショルダーリグを使いたくないと感じた時に、カメラが軽量であることには助けられました」(ユーマンズ氏)

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その他のショットは、屋内外の大小多数のロケ地で撮影され、感情に肉薄するシーンや人々がひしめき合う教会の日曜集会などのシーンを捉えた。

「Blackmagicのカメラでは、可能な限りクリエイティビティを発揮することができ、最高の品質のイメージが得られる安心感があります。ブルースに合わせて踊るシーンでも、登場人物が電話越しに怒鳴られるクローズアップでも、オレンジを採り、収穫後の開けたサトウキビ畑を歩くシーンでも、URSA Mini Proでは期待どおりのイメージが得られることが分かっていました。

URSA Mini Proでは、構想していたことを思いどおりにキャプチャーでき、ハンドヘルドにもリグ組みした撮影にも対応できるデザインは、本作の撮影に最適でした。画質は素晴らしく、ダイナミックレンジも完璧でした。特に高いISOで抜群です。柔軟性に優れたダイナミックレンジのおかげで、自然で実用的な照明だけを使用した、低照明条件での撮影で非常に助けられました」(ユーマンズ氏)

フッテージは、DaVinci Resolve StudioでFotokem New Orleansによりカラーグレーディングされた。ユーマンズ氏は、DaVinci Resolve Studioのカラーグレーディング機能に非常に感心したという。

また、イメージに質感を加えるためにフィルムグレインが適用された。同氏は、New Orleans Center for Creative Artsのメディアアート科にて、URSA Mini ProとProduction Camera 4Kを使って撮影技術を学び、DaVinci Resolve Studioでポストプロダクションの方法を学んだ。同校は、Blackmagic DesignカメラとDaVinci Resolve Studioをフィルム・放送カリキュラムに使用している。

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ユーマンズ氏は現在、ニューヨークシティにその拠点を移し、近日リリース予定の短編「Nairobi」の準備を進めている。ソランジュ・ノウルズのクリエイティブ・エイジェンシーであるSaint Heronが、同作の制作総責任を務めた。

さらに、ニューヨークシティにある伝説的なジャズクラブであるヴィレッジ・ヴァンガードで6夜に渡って行なわれた、ジョン・バティステとStay Human Bandのドキュメンタリーのポストプロダクションも手がけているそうだ。

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