Blackmagic ケース・スタディ
Foo Fighters デヴィッド・グロール「What Drives Us」 URSA Mini Pro 4.6K G2/Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
2021年06月15日
バンドメンバーたちとワゴンに詰め込まれているような雰囲気に
WHAT DRIVES US | Official Trailer (2021)
Foo Fightersのデヴィッド・グロール氏による新作ドキュメンタリー「What Drives Us(原題)」は、複数のBlackmagic Designカメラで撮影された。リンゴ・スター、スティーヴン・タイラー、ベン・ハーパー、ジ・エッジ、スラッシュなど、ロック界の大御所へのインタビューに、URSA Mini Pro 4.6K G2およびPocket Cinema Camera 4Kを使用。また、編集およびカラーグレーディングには、DaVinci Resolve Studioが使用されている。
「What Drives Us」は、道が続いている限りどこにでも赴き、誰かの為に音楽を演奏するという、バンドやアーティストたちの献身を描いている。多くの世界的なミュージシャンにインタビューを敢行。そして"手に入る車でロードトリップに出る"という、ロックバンドの通過儀礼にフォーカスしている。グロール氏は、同作を撮影するにあたり、ジェシカ・ヤング氏を撮影監督として起用した。
ヤング氏は、何時間ものインタビュー映像を内包するドキュメンタリーの撮影と向き合うこととなった。スケジュールが厳しく、またグロール氏やインタビューを受ける人の所在地の都合もあり、ヤング氏はデイリーの撮影をシネマトグラファーのトッド・ベル氏と共有することにした。ヤング氏は2台のBlackmagic URSA Mini Pro 4.6K G2をメインのインタビューカメラとして使用した。他のスタッフはPocket Cinema Camera 4Kを使用したが、操作を簡単に習得できたため、すぐに撮影に参加してとっさのシーンをキャプチャーすることができたという。
ヤング氏とグロール氏がこのドキュメンタリーに対して持っていたビジョンについて、ヤング氏はつぎのように説明する。
「『What Drives Us』はインタビュー映像とアーカイブ映像が組み合わさっています。最初は"パンク"なアプローチ、つまり、普通過ぎて失敗するよりはルールを作らず自由にやろうと思っていました。主題は、ミュージシャンたちがライトバンにぎゅうぎゅうに乗り込んで、何があってもツアーを敢行することです。夢を追っている間は、粗末な食事、不十分な睡眠、上手くいかないギグ、危険な道路状況などを乗り越えていくという多様なストーリーです」
「照明は自然なまま残し、フレームからはみ出す画面いっぱいのクローズアップを用いたりしました。ワイドアングルのフレームの端にフォアグラウンドのエレメントが乗っていることがよくあります。クローズアップのフレームは居心地の悪さを感じるほど近づいており、バンドメンバーたちとワゴンに詰め込まれているような雰囲気にしています」
インタビューはそれぞれ異なる場所で行われたため、ヤング氏と撮影チームは事前にロケハンを行うことができなかった。インタビュー当日に様々なことが決められたので、シンプルにする必要があった。
「私もトッドも過去にBlackmagicカメラを使用したことがあり、優れたイメージを得られることを知っていました。Blackmagicカメラは高ダイナミックレンジに対応しており使い勝手も良いため、このような撮影で起こりうる問題にも対処でき、驚くほどクリエイティブに撮影を行うことができます。
そして他の撮影スタッフはPocket Cinema Cameraを使用したので、多くの優れたショットを撮ることができました。カメラのオペレーションは少人数で行い、1人のアシスタントを共有します。アシスタントはインタビューの撮影中にPocket Cinema Cameraを回し、デヴィッドの質問や笑いの発生に協力することもよくあります」
このように即興での対応が求められることや、グロール氏のインタビューが中断しないようにする必要があることも、ヤング氏がBlackmagic Designのカメラを使用した理由である。
「私はこれまでBlackmagicカメラを愛用してきました。Blackmagicカメラはとても信頼性が高いと思います。正確に数えたわけではありませんが、100人以上のデヴィッドのインタビューに同席したので、彼の好むインタビューの進め方や会話の仕方を理解しました。場合によってはカットしたり撮り直すこともありましたが、このプロジェクトではほとんどの場面をロングテイクで撮影しているので、ファイル破損の心配が付き物でした。特にテイク2を撮らなかった場合や、スターとの撮影で再撮影のチャンスがおそらくない場合などですね。このため、Blackmagicカメラの信頼性は非常に重要でした」
ヤング氏は、URSA Mini Pro 4.6K G2にZeissのSuper Speedプライムレンズを装着し、Pocket Cinema Camera 4Kは、12-35mmと35-100mmのMFTズームレンズを切り替えて使用した。コーデックはBlackmagic RAWを8:1の圧縮率で使用。
「Blackmagic RAWは優れたフラットベースです。このラティチュードやレンジはまさに私たちが必要としていたものです。複数のカメラのイメージを簡単にマッチできるだけでなく、作品中に使用したアーカイブフッテージのルックに、カラーグレードを寄せることができました。Blackmagic RAWは、ストーリーをシームレスに展開させるために非常に役立ちました。
インタビューの撮影では、バックグラウンドに邪魔が入らないように人物の頭部と体を撮影できるアングルは限られています。インタビュー映像では、視聴者が話し手の後ろにあるランプに気を取られたりせずに、話の内容に集中できるようにしたいのです。Blackmagicカメラで撮影したため、ポスプロの段階でリフレームが可能だったので、2つ目のアングルを必要に応じてクリーンにしました。
複数のカメラを使用するプロジェクトでコストを抑えたい場合には、Blackmagicカメラは最高の選択肢だと思います。この作品は、DaVinci Resolveでフィニッシングを行ったので、フッテージをポストワークフローに組み込む際に、問題は一切ありませんでした」
- コンプレックスを抱える男女のラブストーリー|デジタル短編映画「半透明なふたり」
- ミステリと言う勿れ|タイトなドラマ制作のグレーディングにDaVinci Resolve Studioが活躍
- Netflix映画「ドント・ルック・アップ」|イメージのフィルムルック維持を重視
- Cintel Scannerで何百時間もの水中映像をデジタル化|サメと遊ぶ伝説のダイバー
- 生の観劇体験と張り合う高品質なパフォーマンスを世界に配信|演劇用マルチカム
- ポーター・ロビンソン「SECRET SKY」VRコンサート、Blackmagic Designカメラで撮影
- Foo Fighters デヴィッド・グロール「What Drives Us」 URSA Mini Pro 4.6K G2/Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- 重森豊太郎氏、「niko and ... WINTER BOOK」をURSA Mini Pro 12Kで撮影
- 博報堂プロダクツ シズルチームdrop 初の映像作品「1/2」
- 瀧本幹也氏、BRUTUSの特集映像「恋の、答え。」URSA Mini Pro 12Kで撮影
- MisterWivesの配信「SUPERBLOOM: The Live Dream」Pocket Cinema Camera 6Kで撮影
- スウェーデンの子供向け冒険番組「Trex」Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- 構築中の最新鋭ライブ配信施設にUltimatteおよびATEM Constellation 8Kを使用
- トーンズ・アンド・アイMV「Fly Away」ポストプロダクションにDaVinci Resolve Studioを使用
- WANIMA 無観客ライブ|24台のMicro Studio Camera 4KなどBlackmagic製品を使用
- ホワイトハウス公式カメラマンのドキュメンタリー、Pocket Cinema Camera 6Kでリモート撮影
- スペインのMR Factory、リアルタイムのバーチャル制作にBlackmagic Design製品を使用
- エミー賞ノミネート26名がPocket Cinema Camera 6KとATEM Mini Proでライブ配信
- 起亜自動車アメリカのCM「Emmys Delivery Training」にBlackmagicの12Kカメラを使用
- ホラー映画「ALIVE.」Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- ワンショット撮影された劇場映画「Last Call」DaVinci Resolve Studioにてカラーグレーディング
- One World: Together At Home|エルトン・ジョン演奏シーンのポストプロダクションにDaVinci Resolve Studioを使用
- 包丁の製造会社ウイストフ、BMPCC 6KやATEMスイッチャーなどを使いライブ配信
- Stargate Studiosのリアルタイム・バーチャル制作システム「ThruView」Blackmagic Design製品で構築
- ProBalanceの公共広告「Stay Home」Blackmagic Designのカメラで撮影、DaVinci Resolveでグレーディング
- 映画「ファンタジー・アイランド」撮影にPocket Cinema Camera 4Kを使用
- リメイク版「エルム街の悪夢3」DaVinci Resolveで編集とカラーグレーディング
- アメリカのドキュメンタリー番組「The Most Dangerous Animal of All」Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- 映画「フォードvsフェラーリ」郷愁を感じるスタイルをDaVinci Resolveで作成
- ドラマ「左ききのエレン」DaVinci Resolve Studioでグレーディング
- Blackmagic Design製品で制作された2019年のコンサートおよび音楽フェスティバル
- マムフォード・アンド・サンズのコンサート用映像を「POCKET CINEMA CAMERA 6K」で撮影
- ボリウッドの大ヒット映画をDaVinci Resolveでグレーディング
- トライベッカ映画祭受賞作「Burning Cane」URSA Mini Proで撮影
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/TOKI
- Blackmagic製品が演出の一部として機能するブロードウェイの人気舞台「Network」
- 彩度の低いルックが次第に鮮やかに エルトン・ジョンの「ロケットマン」
- Blackmagic URSA Mini Pro 制作事例/鈴木童也
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/ハワード・フルタ
- オリジナルアニメから発想を得た温かいルックを構築「ダンボ」
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/藤代雄一朗
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/谷川英司
- ユニークなルックで登場人物の心情を表現「frozen expectation ジョウネツノバラ」
- 初のDolby Vision使用作「トゥモローランド」グレーディングの新たな試み
- 「予告犯」、Pocket Cinema CameraおよびDaVinci Resolveを使用