2021年02月12日
大人にもTrexを大きく恐ろしい存在として感じて欲しかった
SVT(スウェーデン・テレビ)の子供向け冒険番組「Trex」のシーズン3は、Pocket Cinema Camera 4Kで撮影された。撮影を担当したのは、カメラマンのボー・パルレタン氏。このカメラを選んだ理由や撮影の様子について話を聞いた。
「Trex」は、少年の視点を通じてストーリーが語られる。そのためマグヌス・サミュエルソン監督は、大人を大きく恐ろしい存在として表現することを望んでいたとバルレタン氏は明かす。
「またマグヌスは、大人がティラノサウルスの赤ちゃんである"Trex"を同じように大きく恐ろしい存在として感じて欲しいと思っていました」(バルレタン氏)
パルレタン氏は、サミュエルソン監督にワイドアングルのレンズが被写体のサイズを不自然に歪める事例を見せて説明したという。
「この現象を正確なカメラアングルと組み合わせることで、登場人物のサイズ感を誇張できると思いました」
制作チームが絵コンテを分解して鍵となるショットとアングルを決定したことで、小型でもシネマライクな画が得られるメインカメラが必要なことが明らかになった。
「私たちが選択したのは、Pocket Cinema Camera 4Kです。各シーズンでもっぱらPocket Cinema Camera 4Kを使用しています」
レンズは、Speed Booster Ultra 0.71xアダプターを付けたArri LWZ-1 15.5-45mm T2.6とBlack Pro Mistの1/4および1/2フィルターを使用。
「フィルターにより、ビンテージ感のあるソフトなスタイルを演出できました。スムーズで光沢のあるルックや豊富なカラーで、アニメのように仕上げたいと考えていました。猫の目の形に切り抜いた黒い紙をレンズの奥に入れることで、私が求めていたレトロな効果を出すことができました」
Trexの撮影における最初の課題は、主人公のサイラス・ストランドがまだ7才だったため、丸1日撮影することが許されていないことであった。
「時間内に、必要な全てのショットを撮影することは不可能だと思っていました。しかし、サイラスはとても賢い子だったので、画面内で共演するはずのキャラクターがそこにいなくても撮影可能なことが分かりました」
そこで、多くのシーンはサイラスだけで撮影することになり、サイラスのピント位置が分かるようにレンズの近くに小さなテープを貼って使用した。
「このテクニックがストーリーラインに与える効果が面白かったので、多くのショット・リバースショットに使用して登場人物間の目線を繋ぐようにしました」
獣医がティラノサウルスの歯を診察するシーンで、恐竜の口の中から撮影したショットはパルレタン氏のお気に入りである。
「このシーンでは、ワイドアングルの焦点距離が上手く機能しました。ティラノサウルスの歯が極端に大きく見えて、この診察は失敗するだろうということが明らかです。これはとても効果的なショットでした。小型のカメラでないければ撮影できなかったでしょうね」
「Trex」のシーズン3は、現在スウェーデン・テレビで放映されており、SVT Playからでもオンライン視聴が可能。
- コンプレックスを抱える男女のラブストーリー|デジタル短編映画「半透明なふたり」
- ミステリと言う勿れ|タイトなドラマ制作のグレーディングにDaVinci Resolve Studioが活躍
- Netflix映画「ドント・ルック・アップ」|イメージのフィルムルック維持を重視
- Cintel Scannerで何百時間もの水中映像をデジタル化|サメと遊ぶ伝説のダイバー
- 生の観劇体験と張り合う高品質なパフォーマンスを世界に配信|演劇用マルチカム
- ポーター・ロビンソン「SECRET SKY」VRコンサート、Blackmagic Designカメラで撮影
- Foo Fighters デヴィッド・グロール「What Drives Us」 URSA Mini Pro 4.6K G2/Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- 重森豊太郎氏、「niko and ... WINTER BOOK」をURSA Mini Pro 12Kで撮影
- 博報堂プロダクツ シズルチームdrop 初の映像作品「1/2」
- 瀧本幹也氏、BRUTUSの特集映像「恋の、答え。」URSA Mini Pro 12Kで撮影
- MisterWivesの配信「SUPERBLOOM: The Live Dream」Pocket Cinema Camera 6Kで撮影
- スウェーデンの子供向け冒険番組「Trex」Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- 構築中の最新鋭ライブ配信施設にUltimatteおよびATEM Constellation 8Kを使用
- トーンズ・アンド・アイMV「Fly Away」ポストプロダクションにDaVinci Resolve Studioを使用
- WANIMA 無観客ライブ|24台のMicro Studio Camera 4KなどBlackmagic製品を使用
- ホワイトハウス公式カメラマンのドキュメンタリー、Pocket Cinema Camera 6Kでリモート撮影
- スペインのMR Factory、リアルタイムのバーチャル制作にBlackmagic Design製品を使用
- エミー賞ノミネート26名がPocket Cinema Camera 6KとATEM Mini Proでライブ配信
- 起亜自動車アメリカのCM「Emmys Delivery Training」にBlackmagicの12Kカメラを使用
- ホラー映画「ALIVE.」Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- ワンショット撮影された劇場映画「Last Call」DaVinci Resolve Studioにてカラーグレーディング
- One World: Together At Home|エルトン・ジョン演奏シーンのポストプロダクションにDaVinci Resolve Studioを使用
- 包丁の製造会社ウイストフ、BMPCC 6KやATEMスイッチャーなどを使いライブ配信
- Stargate Studiosのリアルタイム・バーチャル制作システム「ThruView」Blackmagic Design製品で構築
- ProBalanceの公共広告「Stay Home」Blackmagic Designのカメラで撮影、DaVinci Resolveでグレーディング
- 映画「ファンタジー・アイランド」撮影にPocket Cinema Camera 4Kを使用
- リメイク版「エルム街の悪夢3」DaVinci Resolveで編集とカラーグレーディング
- アメリカのドキュメンタリー番組「The Most Dangerous Animal of All」Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- 映画「フォードvsフェラーリ」郷愁を感じるスタイルをDaVinci Resolveで作成
- ドラマ「左ききのエレン」DaVinci Resolve Studioでグレーディング
- Blackmagic Design製品で制作された2019年のコンサートおよび音楽フェスティバル
- マムフォード・アンド・サンズのコンサート用映像を「POCKET CINEMA CAMERA 6K」で撮影
- ボリウッドの大ヒット映画をDaVinci Resolveでグレーディング
- トライベッカ映画祭受賞作「Burning Cane」URSA Mini Proで撮影
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/TOKI
- Blackmagic製品が演出の一部として機能するブロードウェイの人気舞台「Network」
- 彩度の低いルックが次第に鮮やかに エルトン・ジョンの「ロケットマン」
- Blackmagic URSA Mini Pro 制作事例/鈴木童也
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/ハワード・フルタ
- オリジナルアニメから発想を得た温かいルックを構築「ダンボ」
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/藤代雄一朗
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/谷川英司
- ユニークなルックで登場人物の心情を表現「frozen expectation ジョウネツノバラ」
- 初のDolby Vision使用作「トゥモローランド」グレーディングの新たな試み
- 「予告犯」、Pocket Cinema CameraおよびDaVinci Resolveを使用