2015年07月07日
ワイルドかつ精巧なビジュアルエフェクトをグレーディングで向上
現在公開中のディズニー映画「トゥモローランド」は、ジョージ・クルーニー主演、「Mr.インクレディブル」「レミーのおいしいレストラン」の2作品でアカデミー賞を受賞したブラッド・バートが監督を務めたSF作。かつての天才少年フランク(クルーニー)と、科学に対してあふれんばかりの興味を抱く明るい少女ケイシー(ブリット・ロバートソン)が「トゥモローランド」として記憶の中に共有された秘密の地を掘り起こすというミステリーアドベンチャーだ。
©2015 Disney Enterprise,inc. All Rights Reserved.
この映画は、カラーテクノロジーとコントラスト比を向上したHDRを提供できるDolby Visionを使用した最初の公開作となった。グレーディングにはDaVinci Resolveが使用され、新しくDolby Visionプロジェクト用のパスが作成された。製作に携わったポストプロダクション「Company 3」のスティーブン・ナカムラ氏は語る。
「『トゥモローランド』は現実世界よりも幾分か明るくサチュレーションが高いのですが、黒つぶれや白飛びはなく、極端なルックの世界ではありません。エフェクトをわずかに調整して滑らかにするために、Resolveで多くのPower Windowを使いました。同作ではワイルドかつ精巧なビジュアルエフェクトが多用されており、全体を見た時に、他のショットとの関連で常にグレーディングで向上させられる要素がありました」
©2015 Disney Enterprise,inc. All Rights Reserved.
ある登場人物が初めてトゥモローランドに足を踏み入れるシーンでは、驚異的なVFX シーケンスが使用されているという。
「この約2分のシーンには、Industrial Light & Magic(ILM)が作成した膨大な数のエレメントが使用されています。彼らがエフェクトを作成している間に、私はILM のスタジオでカラーグレーディングを行ないました。Resolveのカラーマッチのソフトクリップ、ハイライトツール機能やクロマキーを使ってフレームの一部のサチュレーションを調整したのです」
ナカムラ氏はまた、Dolby VisionパスでDaVinic Resolveのソフトクリップ/ハイライト機能を使用したという。
「従来のDシネマ P3フォーマットをPQフォーマットに変換する際、フレーム内の明るい部分を2倍の明るさにでき、さらに非常にディープなブラックを得られます。ブラッド(バード監督)とクラウディオ(ミランダ撮影監督)は、このハイダイナミックレンジをさりげない方法で利用することに関心を持っていました。
多くのDolby Vision グレーディングとは、まさに素材を再解釈することです。より幅広いダイナミックレンジに対応していても、他のエレメントを圧倒することはありません。例えば、ランプなどのフレーム内の明るい部分が、俳優の顔よりも強調されることはないのです。
Dolby Visionパスは、ハイライトの部分をこれまでのDシネマでは見たことのないほど明るくできる可能性を持っていますが、私はDaVinci Resolve のソフトクリップおよびハイライト機能を多用し、Dolby Vision 31.5 ft-L(フットランバート)を使って、標準の14 ft-L バージョンが持つ雰囲気を維持するようにしました」
©2015 Disney Enterprise,inc. All Rights Reserved.
「トゥモローランド」はデイモン・リンデロフ、ブラッド・バード、ジェフリー・チャーノフ制作、ブラッド・バード、ジョン・ウォーカー、ベルナール・ベリュー、ジェフ・ジェンセン監督、ブリガム・テイラー制作総指揮で、現在公開中。
- コンプレックスを抱える男女のラブストーリー|デジタル短編映画「半透明なふたり」
- ミステリと言う勿れ|タイトなドラマ制作のグレーディングにDaVinci Resolve Studioが活躍
- Netflix映画「ドント・ルック・アップ」|イメージのフィルムルック維持を重視
- Cintel Scannerで何百時間もの水中映像をデジタル化|サメと遊ぶ伝説のダイバー
- 生の観劇体験と張り合う高品質なパフォーマンスを世界に配信|演劇用マルチカム
- ポーター・ロビンソン「SECRET SKY」VRコンサート、Blackmagic Designカメラで撮影
- Foo Fighters デヴィッド・グロール「What Drives Us」 URSA Mini Pro 4.6K G2/Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- 重森豊太郎氏、「niko and ... WINTER BOOK」をURSA Mini Pro 12Kで撮影
- 博報堂プロダクツ シズルチームdrop 初の映像作品「1/2」
- 瀧本幹也氏、BRUTUSの特集映像「恋の、答え。」URSA Mini Pro 12Kで撮影
- MisterWivesの配信「SUPERBLOOM: The Live Dream」Pocket Cinema Camera 6Kで撮影
- スウェーデンの子供向け冒険番組「Trex」Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- 構築中の最新鋭ライブ配信施設にUltimatteおよびATEM Constellation 8Kを使用
- トーンズ・アンド・アイMV「Fly Away」ポストプロダクションにDaVinci Resolve Studioを使用
- WANIMA 無観客ライブ|24台のMicro Studio Camera 4KなどBlackmagic製品を使用
- ホワイトハウス公式カメラマンのドキュメンタリー、Pocket Cinema Camera 6Kでリモート撮影
- スペインのMR Factory、リアルタイムのバーチャル制作にBlackmagic Design製品を使用
- エミー賞ノミネート26名がPocket Cinema Camera 6KとATEM Mini Proでライブ配信
- 起亜自動車アメリカのCM「Emmys Delivery Training」にBlackmagicの12Kカメラを使用
- ホラー映画「ALIVE.」Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- ワンショット撮影された劇場映画「Last Call」DaVinci Resolve Studioにてカラーグレーディング
- One World: Together At Home|エルトン・ジョン演奏シーンのポストプロダクションにDaVinci Resolve Studioを使用
- 包丁の製造会社ウイストフ、BMPCC 6KやATEMスイッチャーなどを使いライブ配信
- Stargate Studiosのリアルタイム・バーチャル制作システム「ThruView」Blackmagic Design製品で構築
- ProBalanceの公共広告「Stay Home」Blackmagic Designのカメラで撮影、DaVinci Resolveでグレーディング
- 映画「ファンタジー・アイランド」撮影にPocket Cinema Camera 4Kを使用
- リメイク版「エルム街の悪夢3」DaVinci Resolveで編集とカラーグレーディング
- アメリカのドキュメンタリー番組「The Most Dangerous Animal of All」Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- 映画「フォードvsフェラーリ」郷愁を感じるスタイルをDaVinci Resolveで作成
- ドラマ「左ききのエレン」DaVinci Resolve Studioでグレーディング
- Blackmagic Design製品で制作された2019年のコンサートおよび音楽フェスティバル
- マムフォード・アンド・サンズのコンサート用映像を「POCKET CINEMA CAMERA 6K」で撮影
- ボリウッドの大ヒット映画をDaVinci Resolveでグレーディング
- トライベッカ映画祭受賞作「Burning Cane」URSA Mini Proで撮影
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/TOKI
- Blackmagic製品が演出の一部として機能するブロードウェイの人気舞台「Network」
- 彩度の低いルックが次第に鮮やかに エルトン・ジョンの「ロケットマン」
- Blackmagic URSA Mini Pro 制作事例/鈴木童也
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/ハワード・フルタ
- オリジナルアニメから発想を得た温かいルックを構築「ダンボ」
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/藤代雄一朗
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/谷川英司
- ユニークなルックで登場人物の心情を表現「frozen expectation ジョウネツノバラ」
- 初のDolby Vision使用作「トゥモローランド」グレーディングの新たな試み
- 「予告犯」、Pocket Cinema CameraおよびDaVinci Resolveを使用