2020年10月28日
グリーンバックの撮影シーンとCG環境をライブでシームレスにマッチ
スペインのMR Factoryは、マドリードに拠点を置き、HBO、テレビシオン・エスパニョーラ、フォルクスワーゲン、WPPグループ、Tornasol Filmsなどを顧客に抱える制作会社。4Kバーチャル制作システムのライブアクション部分に、6台のURSA Mini Pro 4.6K G2カメラそれぞれにUltimatte 12合成プロセッサーを組み合わせて使用しているという。
このワークフローでは、スタジオでグリーンバックを使用して撮影されたライブフィードと、OctaneRender、Unreal Engine、Infinityを用いて作成されたCG環境をシームレスにマッチさせている。創始者のオスカル・M・オラルテ氏に話を聞いた。
「このシステムのおかげで、毎日、リアルタイムで10分以上の4Kコンテンツを作成、キャプチャー、合成できています。つまり、俳優を撮影中に、リアルなCG環境に合成できます。
合成は、Ultimatteを使用してリアルタイムで行なっているため、ディレクターと撮影監督が制作中にエフェクトをチェックし、必要に応じて修正できます。これにより、時間と制作費を削減できます。特にポストプロダクションですね」
プロ仕様のデジタルフィルムカメラであるURSA Mini Pro 4.6K G2を使用することで、撮影監督は従来型のライブアクション撮影で使用されるのと同じカメラで撮影が行なえた。
新型コロナウイルス感染症による都市封鎖の期間を通して、同社は多数の制作を安全に継続することができたとオラルテ氏は語る。
「今年の始め、イギリスのテレビCMの制作が予定されていて、イギリス人のディレクターとスタッフを呼び寄せる予定でした。しかし、ロックダウンが施行されたため、作業方法の見直しが必要となりました。そこで、CMの制作全体を通して、ディレクターが遠隔から制作に参加できるシステムを開発しました」
同社は、バーチャルセットの制作にカメラトラッキングを使用している。これにより、スタジオの全カメラとレンズの動きを正確にキャプチャーできる。スタジオで撮影された4Kのフォアグラウンド信号はUltimatte 12に送信され、リアルタイムでバックグラウンドのCG環境と合成される。
「各カメラにUltimatteを接続することで、複数のアングルをワンテイクで撮影でき、スピルの心配をする必要はありません。30年間、この業界で働いていますが、Ultimatteのキーイングは最も優れていると言っても過言ではないですね」
フォアグラウンド、バックグラウンド、ガベージマットを含む、最終的な合成の全レイヤーは、複数のHyperDeck Studio 12G放送デッキで収録され、その後、タイムコードで同期される。また、Smart Videohub 12G 40x40ルーターが信号の管理を行ない、リアルタイムで映像をチェックできるように、スタジオ内に設置したモニターにライブビデオを送信している。
この方法で制作された4Kシーケンスは、その後、DaVinci Resolve Studioに取り込まれ、編集、グレーディング、デリバリーが行なわれる。
「高度なバーチャル制作技術を使用した制作は、今後ますます増えていくでしょう。リアルな3DとBlackmagic Designのスタジオ制作用の製品を組み合わせることにより、今後も弊社はこの分野で活躍できると確信しています」
- コンプレックスを抱える男女のラブストーリー|デジタル短編映画「半透明なふたり」
- ミステリと言う勿れ|タイトなドラマ制作のグレーディングにDaVinci Resolve Studioが活躍
- Netflix映画「ドント・ルック・アップ」|イメージのフィルムルック維持を重視
- Cintel Scannerで何百時間もの水中映像をデジタル化|サメと遊ぶ伝説のダイバー
- 生の観劇体験と張り合う高品質なパフォーマンスを世界に配信|演劇用マルチカム
- ポーター・ロビンソン「SECRET SKY」VRコンサート、Blackmagic Designカメラで撮影
- Foo Fighters デヴィッド・グロール「What Drives Us」 URSA Mini Pro 4.6K G2/Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- 重森豊太郎氏、「niko and ... WINTER BOOK」をURSA Mini Pro 12Kで撮影
- 博報堂プロダクツ シズルチームdrop 初の映像作品「1/2」
- 瀧本幹也氏、BRUTUSの特集映像「恋の、答え。」URSA Mini Pro 12Kで撮影
- MisterWivesの配信「SUPERBLOOM: The Live Dream」Pocket Cinema Camera 6Kで撮影
- スウェーデンの子供向け冒険番組「Trex」Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- 構築中の最新鋭ライブ配信施設にUltimatteおよびATEM Constellation 8Kを使用
- トーンズ・アンド・アイMV「Fly Away」ポストプロダクションにDaVinci Resolve Studioを使用
- WANIMA 無観客ライブ|24台のMicro Studio Camera 4KなどBlackmagic製品を使用
- ホワイトハウス公式カメラマンのドキュメンタリー、Pocket Cinema Camera 6Kでリモート撮影
- スペインのMR Factory、リアルタイムのバーチャル制作にBlackmagic Design製品を使用
- エミー賞ノミネート26名がPocket Cinema Camera 6KとATEM Mini Proでライブ配信
- 起亜自動車アメリカのCM「Emmys Delivery Training」にBlackmagicの12Kカメラを使用
- ホラー映画「ALIVE.」Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- ワンショット撮影された劇場映画「Last Call」DaVinci Resolve Studioにてカラーグレーディング
- One World: Together At Home|エルトン・ジョン演奏シーンのポストプロダクションにDaVinci Resolve Studioを使用
- 包丁の製造会社ウイストフ、BMPCC 6KやATEMスイッチャーなどを使いライブ配信
- Stargate Studiosのリアルタイム・バーチャル制作システム「ThruView」Blackmagic Design製品で構築
- ProBalanceの公共広告「Stay Home」Blackmagic Designのカメラで撮影、DaVinci Resolveでグレーディング
- 映画「ファンタジー・アイランド」撮影にPocket Cinema Camera 4Kを使用
- リメイク版「エルム街の悪夢3」DaVinci Resolveで編集とカラーグレーディング
- アメリカのドキュメンタリー番組「The Most Dangerous Animal of All」Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- 映画「フォードvsフェラーリ」郷愁を感じるスタイルをDaVinci Resolveで作成
- ドラマ「左ききのエレン」DaVinci Resolve Studioでグレーディング
- Blackmagic Design製品で制作された2019年のコンサートおよび音楽フェスティバル
- マムフォード・アンド・サンズのコンサート用映像を「POCKET CINEMA CAMERA 6K」で撮影
- ボリウッドの大ヒット映画をDaVinci Resolveでグレーディング
- トライベッカ映画祭受賞作「Burning Cane」URSA Mini Proで撮影
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/TOKI
- Blackmagic製品が演出の一部として機能するブロードウェイの人気舞台「Network」
- 彩度の低いルックが次第に鮮やかに エルトン・ジョンの「ロケットマン」
- Blackmagic URSA Mini Pro 制作事例/鈴木童也
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/ハワード・フルタ
- オリジナルアニメから発想を得た温かいルックを構築「ダンボ」
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/藤代雄一朗
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/谷川英司
- ユニークなルックで登場人物の心情を表現「frozen expectation ジョウネツノバラ」
- 初のDolby Vision使用作「トゥモローランド」グレーディングの新たな試み
- 「予告犯」、Pocket Cinema CameraおよびDaVinci Resolveを使用