2021年07月16日
ライブ感と同時にライブを超えるシネマライクなデジタル体験を提供
ポーター・ロビンソンの「Secret Sky」コンサートは、Blackmagic Design Pocket Cinema Camera 6K Pro、Pocket Cinema Camera 6K、URSA Mini Pro 4.6K G2で撮影された。この1時間超のイマーシブ・コンサートは、世界中で何百万人もの人が視聴。2Dでの視聴も可能であったが、VRの世界に入り込み、世界中のファンたちのアバターと交流することも可能であった。
ポーター・ロビンソンは、アメリカのレコードプロデューサー、ミュージシャン、シンガーであり、彼のデビュー作のスタジオアルバムは、ビルボードのダンス/エレクトロニックのアルバム部門で1位を獲得した。ポーター・ロビンソンは、最新アルバムのプロモーションのため、Secret Sky Festivalで新アルバムの一部を演奏した。Secret Sky Festivalは、様々なチャリティへの資金調達を目的としたデジタルフェスティバルである。
このプロジェクトの監督およびエディターを務めたマイク・オブライエン氏に話を聞いた。
オブライエン氏の任務は、視聴者たちがライブショーを見ているような感覚を得られるようにすること、なおかつライブを超えるようなシネマライクなデジタル体験を提供することであった。ステージは、床、側面、背面、そして天井も全てLEDスクリーンで構成されていた。
「私たちの目的は、視聴者に驚異的なイマーシブ体験を届ける一方で、ライブショーで人々が体験するであろう、あらゆる感覚と感情をキャプチャーすることでした。ファンたちには、ポーターと彼のチームが作成したVRの世界でこのショーを楽しむというオプションが用意されていました。そしてOculusのヘッドセットを持っている人たちは、視点が変わるパワフルな方法でこのセットを体験できました。世界中のアバターたちとショーを見ながら交流することができたんです。クレイジーですよね!」
オブライエン氏はコンサートの撮影に4台のPocket Cinema Camera 6K、1台のPocket Cinema Camera 6K Pro、そして1台のURSA Mini Pro 4.6K G2を使用。URSA Mini Pro 4.6K G2は、1台のPocket Cinema Camera 6KおよびPocket Cinema Camera 6K Proと共にステディカムのリグに設置され、ステージ上を動き回った。残りのPocket Cinema Cameraは、ステージの周囲や、中央の照明用トラスの上に設置され、頭上から見下ろすショットも撮影できた。
「撮影アングルのプランを練っていた時に、まさにこのセットアップにしようと考えていました。多くのアングルを用意することで、コンサート全体でイマーシブな雰囲気を増幅させることができました。"最前列のファンの視点"をキャプチャーすることが重要だったので、ジェイ・コーフマンとゲイブ・ルビアーノの2人のカメラマンは、6Kカメラを肩乗せリグに取り付けて、ハンドヘルドの揺れを再現しました。ジブやリグに取り付けたカメラでは広範囲のルックを撮影し、ステディカムやハンドヘルドでは被写体に寄ったルックを撮影しました。
床も美しいLEDスクリーンだったので、ポーターを上から見下ろすアングルで撮影できたら素晴らしいだろうと考えました。Pocket 6Kはリグを軽量かつ安全に保てるため、視界の効く場所に設置できます。照明のチャールズ・シェーファーがPocket 6Kを頭上に設置してくれたので、実行/停止ケーブルをカメラに接続し、Tilta Nucleus-Mハンドルを介して収録および停止を実行できました。これには救われましたね! 実行/停止は、SSDと同じポートを使用するので、512GBのカードを使用してフッテージを収録しました」
オブライエン氏は、膨大な数の独自のグラフィックのキャプチャーと、曲ごとに変更する照明の問題に直面した。Blackmagicカメラのラティチュードおよびカラーサイエンスを使用し、ネイティブISO800でBlackmagic RAW 8:1に収録することで、必要なショットを得ることができた。また、編集とカラーコレクションにDaVinci Resolve Studioを使用していたため、ISO800での撮影が適していないあらゆるクリップを後から簡単に修正できることが分かっていた。
「どちらのカメラも本当に素晴らしい働きをしてくれました。私がBlackmagicカメラで気に入っている点は、ラティチュードとリッチなカラー、そして第5世代のカラーサイエンス、色域圧縮、ハイライトリカバリーのオプションです。
グラフィックがスクリーンに流れるテンポでISOを変更することができなかったので、RAWイメージのメタデータをポスプロで修正できる機能は非常に役立ちましたね! 一部のクリップはISO800で白飛びしましたが、Resolveで簡単に修正できました。今回のコンサートのように、高速でドラマチックな照明を使用したプロジェクトでは、このような柔軟な対応ができると助かります」
ポストプロダクションは、オブライエン氏がDaVinci Resolve Studioを使用してカラーコレクションと編集を行なった。オブライエン氏は、10TBのRAIDドライブでDaVinci Resolve Studioを使用してフッテージを処理し、ラフ編集をまとめた。その後、ポーター・ロビンソンと協力して、カラーコレクションと最終的な編集の調整を行った。
「このプロジェクトはチームとしての取り組みであり、私の仕事はサウンドのレイヤーと美しいカラーをひとつのダイナミックなアート作品としてまとめ上げることでした。このビジュアルは、ポーターの才能の延長線上にあります。ビデオウォールは、ポーター自身、Ghostdad、Shin、そして才能溢れるデジタルアーティストたちが設計しました。照明デザイナーのベン・コーカーは、素晴らしい仕事をしてくれ、セットに奥行きが生まれました。柔らかく親密な雰囲気の曲から壮大で叙事詩のような曲まで、エネルギーの流れを感じされるのは本当に素晴らしいですね。非常にクールな経験でした!」
ポーター・ロビンソンのNurture Live Tourは現在チケット販売中。
https://porterrobinson.com/tour
PORTER ROBINSON NURTURE LIVE @ SECRET SKY 2021
- コンプレックスを抱える男女のラブストーリー|デジタル短編映画「半透明なふたり」
- ミステリと言う勿れ|タイトなドラマ制作のグレーディングにDaVinci Resolve Studioが活躍
- Netflix映画「ドント・ルック・アップ」|イメージのフィルムルック維持を重視
- Cintel Scannerで何百時間もの水中映像をデジタル化|サメと遊ぶ伝説のダイバー
- 生の観劇体験と張り合う高品質なパフォーマンスを世界に配信|演劇用マルチカム
- ポーター・ロビンソン「SECRET SKY」VRコンサート、Blackmagic Designカメラで撮影
- Foo Fighters デヴィッド・グロール「What Drives Us」 URSA Mini Pro 4.6K G2/Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- 重森豊太郎氏、「niko and ... WINTER BOOK」をURSA Mini Pro 12Kで撮影
- 博報堂プロダクツ シズルチームdrop 初の映像作品「1/2」
- 瀧本幹也氏、BRUTUSの特集映像「恋の、答え。」URSA Mini Pro 12Kで撮影
- MisterWivesの配信「SUPERBLOOM: The Live Dream」Pocket Cinema Camera 6Kで撮影
- スウェーデンの子供向け冒険番組「Trex」Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- 構築中の最新鋭ライブ配信施設にUltimatteおよびATEM Constellation 8Kを使用
- トーンズ・アンド・アイMV「Fly Away」ポストプロダクションにDaVinci Resolve Studioを使用
- WANIMA 無観客ライブ|24台のMicro Studio Camera 4KなどBlackmagic製品を使用
- ホワイトハウス公式カメラマンのドキュメンタリー、Pocket Cinema Camera 6Kでリモート撮影
- スペインのMR Factory、リアルタイムのバーチャル制作にBlackmagic Design製品を使用
- エミー賞ノミネート26名がPocket Cinema Camera 6KとATEM Mini Proでライブ配信
- 起亜自動車アメリカのCM「Emmys Delivery Training」にBlackmagicの12Kカメラを使用
- ホラー映画「ALIVE.」Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- ワンショット撮影された劇場映画「Last Call」DaVinci Resolve Studioにてカラーグレーディング
- One World: Together At Home|エルトン・ジョン演奏シーンのポストプロダクションにDaVinci Resolve Studioを使用
- 包丁の製造会社ウイストフ、BMPCC 6KやATEMスイッチャーなどを使いライブ配信
- Stargate Studiosのリアルタイム・バーチャル制作システム「ThruView」Blackmagic Design製品で構築
- ProBalanceの公共広告「Stay Home」Blackmagic Designのカメラで撮影、DaVinci Resolveでグレーディング
- 映画「ファンタジー・アイランド」撮影にPocket Cinema Camera 4Kを使用
- リメイク版「エルム街の悪夢3」DaVinci Resolveで編集とカラーグレーディング
- アメリカのドキュメンタリー番組「The Most Dangerous Animal of All」Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- 映画「フォードvsフェラーリ」郷愁を感じるスタイルをDaVinci Resolveで作成
- ドラマ「左ききのエレン」DaVinci Resolve Studioでグレーディング
- Blackmagic Design製品で制作された2019年のコンサートおよび音楽フェスティバル
- マムフォード・アンド・サンズのコンサート用映像を「POCKET CINEMA CAMERA 6K」で撮影
- ボリウッドの大ヒット映画をDaVinci Resolveでグレーディング
- トライベッカ映画祭受賞作「Burning Cane」URSA Mini Proで撮影
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/TOKI
- Blackmagic製品が演出の一部として機能するブロードウェイの人気舞台「Network」
- 彩度の低いルックが次第に鮮やかに エルトン・ジョンの「ロケットマン」
- Blackmagic URSA Mini Pro 制作事例/鈴木童也
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/ハワード・フルタ
- オリジナルアニメから発想を得た温かいルックを構築「ダンボ」
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/藤代雄一朗
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/谷川英司
- ユニークなルックで登場人物の心情を表現「frozen expectation ジョウネツノバラ」
- 初のDolby Vision使用作「トゥモローランド」グレーディングの新たな試み
- 「予告犯」、Pocket Cinema CameraおよびDaVinci Resolveを使用