2021年04月07日
ライブのエネルギーと高品質の映像作品をひとつにした新たな音楽体験
米国のバンドMisterWivesが配信したコンサート「SUPERBLOOM: The Live Dream」の撮影は、すべてBlackmagic Design Pocket Cinema Camera 4Kおよび6Kカメラで行われた。世界中に配信されたこのコンサートを通して、数万人のファンがライブコンサート会場の様子と映像作品を併せて楽しむことができた。
MisterWivesは高い評価を得ている米国のバンドで、世界中に広がるファンは数百万人に及ぶ。彼らの素晴らしいライブパフォーマンスは特に有名だ。3枚目のアルバム「SUPERBLOOM」をリリースしたものの、2020年は新型コロナウイルスが原因となり、ツアーを回ることができなかった。新作アルバムをファンに届けるため、彼らは「The Live Dream」を制作することを決めた。この配信は、バンドのライブショーのエネルギーと、新作アルバムのストーリーを視覚的に伝える高品質の映像作品を併せたものであり、複数のセットやコスチューム、振り付けが含まれていた。
MisterWivesのボーカリスト兼メインソングライターであるマンディー・リーの明確なビジョンに基づき、バンドはマティー・ヴォーゲル監督とキャリー・ストーク撮影監督に制作を依頼した。サーティー・セカンズ・トゥー・マーズやビリー・アイリッシュなどのアーティストの写真撮影で知られるヴォーゲル監督は、MisterWivesと協力して今回の配信のコンセプトを考案した。制作マネージャーのノア・アルメキンダー氏率いるバンドのツアークルーは、配信の技術的要件をクリアする上で不可欠な存在だった。
「ライブ番組のエネルギーと高品質の映像作品をひとつにしたライブミュージック体験という、本当に特別なプロジェクトでした。しかも、ライブミュージック配信の経験がないクルーが制作したのです」(ヴォーゲル氏)
「個人的にはこのような仕事をもっとやりたいですね。やりがいのあるクリエイティブな挑戦であり、アクセス可能な没入型の体験をまったく新しい形でファンに提供できます」(ストーク氏)
「SUPERBLOOM: The Live Dream」は、ロチェスター工科大学のMAGIC Spell Studiosで5日間で撮影された。映像はアルバムの曲順にしたがって収録されており、視聴者はアルバムの感情的なストーリーを体験できる。
ヴォーゲル氏が監督を務める中、カメラはストーク氏とロチェスター工科大学の学生2人が操作した。三脚に乗せたPocket Cinema Camera 4KとPocket Cinema Camera 6K、ストーク氏が操作するハンドヘルドジンバルのPocket Cinema Camera 6Kだった。
撮影ではライブパフォーマンスが全編にわたって行われ、高品質の没入型照明やエフェクトのほか、ヴォーゲル氏がこの配信のために作成したグラフィックを表示する巨大なプロジェクタースクリーンが使用された。これらの映像には、昼から夜の劇的な変化、高品質の月光グラフィック、バンドの周りを踊るダンスグループなども含まれている。
「予算は限られていましたが、非常に高品質の制作となりました。Pocket Cinema Cameraはその大きな要因のひとつです。カメラのコンパクトさとハイダイナミックレンジは、私たちにとって大変大きな利点でした。バンドの近くに迫ってステージ全体を動き回っても、邪魔になることはありませんでした。Pocket Cinema Cameraはその場の状況に影響しないので、撮影者とバンドの間に障害がない状態で撮影できました」(ストーク氏)
ステージの一部が霧の森に見えるようセットアップされた木々の間を抜けて、バンドのボーカリスト、マンディー・リーを追うシーンがあった。
「森のシーンでは、2人が野原を駆け抜けていく場面を、古い映画のような雰囲気にしたいと考えました。私はカメラをもう1人の人物のように動かして、前を走る2人を後ろから追うような映像にしました。防音スタジオにいながら、マンディーが森を駆け抜けるのと同じ没入感を提供できる映像を作りたかったのです。Pocket Cinema Cameraのコンパクトなサイズとハイダイナミックレンジによって、私の思い描いたショットが現実のものとなりました」(ストーク氏)
Pocket Cinema Cameraが制作チームにもたらしたもうひとつの利点が、ハイダイナミックレンジだった。照明デザイナーのブライアン・ラルー氏の監督の下、パフォーマンスの照明にはハイコントラストのコンサートライトが使用された。撮影されたフッテージは柔軟性が高く、制作チームはポストプロダクションにおいて照明をソフトにしたり、強調したりできた。
「Pocket Cinema CameraのフィルムルックとフィルムLogプロファイルは素晴らしいですね。特にPocket 6Kのダイナミックレンジ、解像度、ビット深度は、ポストプロダクションで理想のルックを実現する上で大いに役立ちました」(ストーク氏)
「Pocket Cinema Cameraと今回のプロジェクトによって、私の新しい創作の道が開ました。以前はライブショーの写真撮影に専念していましたが、新型コロナウイルスの影響もあり、新しいスタイルを模索していました。Pocket Cinema Cameraを使用することで、ミュージックビデオおよびライブミュージック配信という新しいビジネスを始めることができました」(ヴォーゲル氏)
「SUPERBLOOM: The Live Dream」トレーラー
- コンプレックスを抱える男女のラブストーリー|デジタル短編映画「半透明なふたり」
- ミステリと言う勿れ|タイトなドラマ制作のグレーディングにDaVinci Resolve Studioが活躍
- Netflix映画「ドント・ルック・アップ」|イメージのフィルムルック維持を重視
- Cintel Scannerで何百時間もの水中映像をデジタル化|サメと遊ぶ伝説のダイバー
- 生の観劇体験と張り合う高品質なパフォーマンスを世界に配信|演劇用マルチカム
- ポーター・ロビンソン「SECRET SKY」VRコンサート、Blackmagic Designカメラで撮影
- Foo Fighters デヴィッド・グロール「What Drives Us」 URSA Mini Pro 4.6K G2/Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- 重森豊太郎氏、「niko and ... WINTER BOOK」をURSA Mini Pro 12Kで撮影
- 博報堂プロダクツ シズルチームdrop 初の映像作品「1/2」
- 瀧本幹也氏、BRUTUSの特集映像「恋の、答え。」URSA Mini Pro 12Kで撮影
- MisterWivesの配信「SUPERBLOOM: The Live Dream」Pocket Cinema Camera 6Kで撮影
- スウェーデンの子供向け冒険番組「Trex」Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- 構築中の最新鋭ライブ配信施設にUltimatteおよびATEM Constellation 8Kを使用
- トーンズ・アンド・アイMV「Fly Away」ポストプロダクションにDaVinci Resolve Studioを使用
- WANIMA 無観客ライブ|24台のMicro Studio Camera 4KなどBlackmagic製品を使用
- ホワイトハウス公式カメラマンのドキュメンタリー、Pocket Cinema Camera 6Kでリモート撮影
- スペインのMR Factory、リアルタイムのバーチャル制作にBlackmagic Design製品を使用
- エミー賞ノミネート26名がPocket Cinema Camera 6KとATEM Mini Proでライブ配信
- 起亜自動車アメリカのCM「Emmys Delivery Training」にBlackmagicの12Kカメラを使用
- ホラー映画「ALIVE.」Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- ワンショット撮影された劇場映画「Last Call」DaVinci Resolve Studioにてカラーグレーディング
- One World: Together At Home|エルトン・ジョン演奏シーンのポストプロダクションにDaVinci Resolve Studioを使用
- 包丁の製造会社ウイストフ、BMPCC 6KやATEMスイッチャーなどを使いライブ配信
- Stargate Studiosのリアルタイム・バーチャル制作システム「ThruView」Blackmagic Design製品で構築
- ProBalanceの公共広告「Stay Home」Blackmagic Designのカメラで撮影、DaVinci Resolveでグレーディング
- 映画「ファンタジー・アイランド」撮影にPocket Cinema Camera 4Kを使用
- リメイク版「エルム街の悪夢3」DaVinci Resolveで編集とカラーグレーディング
- アメリカのドキュメンタリー番組「The Most Dangerous Animal of All」Pocket Cinema Camera 4Kで撮影
- 映画「フォードvsフェラーリ」郷愁を感じるスタイルをDaVinci Resolveで作成
- ドラマ「左ききのエレン」DaVinci Resolve Studioでグレーディング
- Blackmagic Design製品で制作された2019年のコンサートおよび音楽フェスティバル
- マムフォード・アンド・サンズのコンサート用映像を「POCKET CINEMA CAMERA 6K」で撮影
- ボリウッドの大ヒット映画をDaVinci Resolveでグレーディング
- トライベッカ映画祭受賞作「Burning Cane」URSA Mini Proで撮影
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/TOKI
- Blackmagic製品が演出の一部として機能するブロードウェイの人気舞台「Network」
- 彩度の低いルックが次第に鮮やかに エルトン・ジョンの「ロケットマン」
- Blackmagic URSA Mini Pro 制作事例/鈴木童也
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/ハワード・フルタ
- オリジナルアニメから発想を得た温かいルックを構築「ダンボ」
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/藤代雄一朗
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 制作事例/谷川英司
- ユニークなルックで登場人物の心情を表現「frozen expectation ジョウネツノバラ」
- 初のDolby Vision使用作「トゥモローランド」グレーディングの新たな試み
- 「予告犯」、Pocket Cinema CameraおよびDaVinci Resolveを使用