Blackmagic ケース・スタディ

重森豊太郎氏、「niko and ... WINTER BOOK」をURSA Mini Pro 12Kで撮影

フィルムでもデジタルでも、映像っていじめないとダメなんですよ

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ファッション/ライフスタイルブランドである「niko and ...」の広告キャンペーンとして制作されたwebムービー「niko and ... WINTER BOOK」は、撮影にBlackmagic URSA Mini Pro 12K、グレーディングにDaVinci Resolve Studioが使用された。

本作の撮影監督を務めた重森豊太郎氏は、携帯キャリアKDDI auの「三太郎シリーズ」をはじめとする多数の大手企業CMやミュージックビデオ、映画などの撮影を手がけており、現在でも作品の8割をフィルムで撮影している。今回手掛けたのは、撮影監督として携わっているブランド「niko and ...」のウェブムービーの2020年冬編だ。若手実力派俳優の菅田将暉と小松菜奈が出演し、アートディレクターの森本千絵氏による幻想的な絵本の世界を映像化。URSA Mini Pro 12Kで撮影した重森氏に話を聞いた。

「もともと、『niko and ...』のCMはアートディレクターの森本さんと一緒に携わっていて、ずっと35mmフィルムで撮っていました。しかし、この冬編の前に撮影した秋編の時に初めてBlackmagic Pocket Cinema Camera 4Kを使いました。森本さんにどんなムービーにするか意見を求められて、当初グラフィックのみの広告展開の予定だったと聞いていたので、タレントさんをあえてマネキンとして動きを止めた状態で撮ってみることを提案したら採用されたんです。被写体が動かないのでカメラは動かしたいため、小回りのきくPocket Cinema Camera4KをRoninに載せて撮ったのですが、思ったより便利にきちんと撮れると感じました。その件もあって今回もBlackmagicで撮ってみようと思いました」

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普段は撮影のみ行っている重森氏だか、今回の撮影では、ディレクションも務めている。

「実は秋編の時もディレクションを頼まれて引き受けていて、それが面白かったのでまたやってくれと頼まれた経緯があります。とは言っても森本さんの作った世界観がしっかりあったのでそれを壊さないように相談しながらタレントさんの動きを指示したりしていました。

当日は8K 8:1で撮影しました。ムービーをインスタグラムにアップする予定だったのでアナモフィックレンズを使って、サイドカットして4:3で仕上げました。サイドカットしてしまうと、普通のカメラだとかなり画質が劣化してしまうのですが、URSA Mini Pro 12Kは高解像度で撮れるのでサイドカットしても問題がありません」

フィルムの独特のトーンを気に入っている重森氏は、デジタルカメラで撮影する上で自分の気に入ったトーンを作るために心がけていることがあるという。

「ほとんどのデジタルカメラの常用感度が800で推奨されていますが、800で撮ることはありません。800で撮るとデジタル感が強くなって、つまらない映像になってしまうからです。デジタルで撮影するときは必ず感度を上げて撮るようにしていて、今回は感度を1600で撮りましたが3200まで上げることも多いです。そうすることによって生っぽさがとれたりするんです。フィルムでもデジタルでも、映像っていじめないとダメなんですよ。

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アナモフィックレンズを使った理由もそこにあります。フォーカスがガッチリこなくて、デジタルで撮っても曖昧さが生まれます。映像を撮る場合はそう言った曖昧さを残して、そのファジーな部分を人間が想像する方がいいと思っているので、なるたけ見えすぎないような努力しています」

グレーディングは、ポストプロダクション、オムニバスジャパンでDaVinci Resolve Studioで行われた。今回の色作りに対して重森氏はこう話す。

「今回は、僕にしては珍しくフラットな光で撮ったんです。普段はもっと陰影をつけて画作りするんですが、今回は冬で雪景色だったのであえてフラットな光で撮りました。現場でスタジオを全体的にスモークを焚いていたので、画面が白っぽくなっているのですが、その空気感は残しつつ色は出るように、色の出方とシャープネスに気をつけてグレーディングしてもらいました。僕にしては珍しく柔らかいトーンで仕上げましたね。

BRAWについては、8KのRAW素材なんて絶対に普通のパソコンじゃ動かないだろうと思っていたのですが、実際に触ってみてBRAWが思った以上に軽くて本当に驚きました。他のデジタルカメラのRAW素材だとかなり重いものもあるので、扱いやすくてよかったですね」

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