Blackmagic ケース・スタディ

Blackmagic URSA Mini Pro 制作事例/鈴木童也

鈴木童也(映像ディレクター)

Interview 鈴木童也(映像ディレクター)

小規模で高品質な映像が撮れるカメラ

YouTubeクリエイターやアーティストによるオリジナルシリーズや映画を視聴できるサービスとしてスタートしたYouTube Originals。この新タイトルとして水曜日のカンパネラのコムアイが登場。『Re:SET』と名付けられたこのコンテンツは、日本武道館公演を終えて、自分を見つめ直そうと考えたコムアイが、何度も屋久島を訪れ、現地の人々と触れ合い、屋久島の自然に溶け込み、同化しながらレコーディングを行なうまでを追いかけた。国内外で様々なドキュメンタリー作品を制作・発表してきた鈴木童也監督は半年以上も彼女と向き合い、今まで誰も見たことのなかったコムアイの姿を捉えている。

YouTube Originals『Re:SET』 水曜日のカンパネラ×屋久島
制作=AMUSE+ROBOT EP=阿部 聡・高島華子・松原史和 Pr=大門 剛 Dir=鈴木童也 DP=印藤正人・勝野 賢・渡辺隆彦 PM=中村 薫 Drone=田中道人 Crd=田平拓也・堀江重郎 REC=末永照幸 TD=酒井教授 ED=渡辺隆彦・金子雄亮/湯山 圭・小曽根 豪・渡辺 聡 Colorist=鳥海重幸・森 誠二郎 Music Pr=鈴木聖也 Music Composer=長尾洋輔 MA=望月直矢

──今回どういうプランで撮っていこうと考えたのですか。

鈴木 MVやライブなどしっかり準備された舞台でパフォーマンスを発揮することが多い人なので、あえて事前に計画を立てないようにして、本人の話を聞きながら自然な姿を撮れたらいいなと思いました。ルート自体は事前に調べていますが、それよりもまずは屋久島全体を感じてもらって、興味を持ったところや場所に行ってみる。縄文杉のような観光の目玉スポットには興味がないと聞いたので、ガイドと相談しながら森に入っていきました。

img_special_bmpc4k_tsukaya_suzuki_01.jpg画像:YouTube

──おすすめのシーンをあげてください。

鈴木 まずは横河渓谷ですね。コムアイさんがおそらくなにかを感じていたんだろうと思うんですけど、鼻歌を歌いながら長い間、佇んでいました。

img_special_bmpc4k_tsukaya_suzuki_02.jpg

もうひとつはセッションですかね。トラックメイカーのオオルタイチさんとフィールドレコーディングの東岳志さんが石をカチカチしてセッションしていたんですけど、そこにコムアイさんも参加して。1時間ぐらい演奏していましたかね。その時間が好きです。すごく自然にセッションが始まったところが面白いなと感じていましたし、音楽の根っこにあるような時間でした。屋久島の自然からインスピレーションを受けて音楽を作っていく過程を見せたいという狙いもあったので、象徴的なシーンになったなと思います。

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──収録素材をどうまとめたのですか。

鈴木 今回は20TB分の素材がありました。まずはインタビューがベースになるなと思って、会話の中で面白いと思ったところを並べ、そこに合う映像を盛り込んでいきました。エピソードごとのタイトルも編集しながら決めました。コムアイさんにはこういう人なんだよとか、こんな一面もあるんだなど、見る人にいろんな発見があればいいなと思っています。

img_special_bmpc4k_tsukaya_suzuki_03.jpg

──今回は所有しているBlackmagic URSA Mini Pro(以下URSA)をメインカメラに使っているそうですね。

鈴木 2〜3人で撮影してクオリティの高い映像を作らなきゃならないという仕事が増えています。URSAは僕らのような小規模なチームでも手の届く価格帯で、高品質な映像が収録できる。思い切って勝負できるところが気に入っています。屋久島は雨が多く、湿った苔の森を歩くのですが、こういう現場に持って行くことができるカメラは心強いですね。薄暗い場所や細かく雨が降っているようなシーンでもディテールが残っているので助かります。今回の撮影でも印象的なシーンがたくさん撮れたのでぜひ見て欲しいです。

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Blackmagic URSA Mini Pro




※この記事はコマーシャル・フォト2019年7月号から転載しています。


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