玉ちゃんのライティング話

第26回 最初に揃える照明機材は?

解説 : 玉内公一

PhotoEDGE600px.png

img_tech_lightingstory26_01.jpg これから照明機材を揃える、事務所の一角に簡易スタジオを作りたいという場合、「まずはモノブロック」という選択もある。アンブレラやバンクをセットしたリーズナブルな2灯セットも登場している。もちろん撮影台やポール、バック紙なども揃える必要はあるが、デジタル一眼レフでの撮影を前提とした場合、中判、大判のフィルムカメラを使っていた頃と比べると、かなり低予算で撮影の環境が整えられるはずだ。

玉:玉内 編:編集部

 これまでライティングの基礎技法を色々と解説してもらいましたが、今回はちょっと目先を変えて、実際、これからライティングを始めてみよう、自分の機材を揃えようとする時のアドバイスを、と思います。

 具体的には?

 たとえば私がアシスタントから独立して、事務所も借りました…それでライティング機材も自分のものを揃えたい。ちょっとしたブツ撮りなら事務所のスペースを使ってできたらいいな、でもあまり予算がない。

 撮影はデジタル? カメラは?

 最近だとやはりデジタル撮影ですよね。カメラは、まだ中判デジタルバックには手が届かないから、35mmデジタル一眼レフタイプで。

 なるほど。それならばお勧めはモノブロックタイプですね。一眼レフタイプのデジタルカメラは常用感度が高く、光量をあまり必要としない。むしろどこまで出力を落とせるかが重要なくらい。これまでロケ用というイメージがあったモノブロックも、メイン機材として使えるようになってきたわけです。

 つまりモノブロックがあればロケ撮影にも、スタジオ撮影にも使えて便利というわけですね。

 そうした流れを受けて、ジェネレータータイプでもロケに持って行ける小型で低出力可能なタイプが流行です。

デジタル撮影ではモノブロックもメイン機として使える!?

img_tech_lightingstory26_02.jpg プロペット MONO300N
従来サブ機、ロケ用と考えられていたモノブロックでも、常用撮影感度が高いデジタル一眼レフの撮影では、メイン機として使用できる。写真はプロペットのモノブロック「MONO300N」。300Ws〜38Ws無段階調光。リサイクリングタイムは2秒。入門機として売れている定番モノブロックだ。
http://www.propet.co.jp/


img_tech_lightingstory26_03.jpg エリンクロームD-Lite-it To Go Set
エリンクロームのモノブロックD-Lite-it。D-Lite-it 2は12.5Ws〜200Ws、D-Light-it 4は25Ws〜400Wsの出力範囲。調光ステップは1/10EV。マルチボルテージ(90V〜260V)。D-Lite-it2灯、スタンド、バンク、キャリングバック他がセットとなった「D-Lite-it To Go Set」は、非常にコストパフォーマンスが高い。
http://www.takeinc.co.jp

 一方、デジタルでも、カメラバックタイプを使うなら、これまで同様に大光量が得られるジェネレータータイプが必要となってきます。昔、スタジオで中判、大判カメラを使い、ポジフィルムで撮っていたのと同じ感覚ですね。

また仕事も増え、大規模な撮影、多灯撮影が増えてくると、モノブロックだと物足りなくなってきます。大体、ジェネレーターはソケットが3〜4個あるから、モノブロックを何灯も買うなら、ライトヘッドだけを買い足していった方がコストパフォーマンスがよい。まぁ、頑張って稼いだらモノブロック、ジェネレーター両方揃える、ということでしょうか。

 実際、最初は何灯あればいいですか?

 うーん、その人の撮影の内容によるけれど、最低、2灯は欲しい。メインとサブ。そこから背景用ライトが欲しいとか、アクセントライトがあればとか、ライティング表現でライトを増やしていけば良いと思う。

 拡散用アクセサリーとして、バンクかアンブレラを選ぶなら最初はどちら?

 ブツ撮りが多いならバンクが便利ですが、アンブレラの方が応用範囲は広い。アンブレラの気になる点は、光モノの撮影できれいな映り込みが作れないことですが、そこは前回紹介したライトパネルなどと組み合わせることで、バンク的な使い方もできます。

 じゃあライトパネルも揃えておいた方がよいですね?

 予算があれば。でも、ちょっとした撮影には便利ですよ。ライトカッターとしても、レフとしても使えるし、ロケにも持って行ける。事務所の簡易スタジオで使うだけなら、トレペやスチレンボードで同じようなものが作れるのですが。

ロケにもデジタル撮影にも対応、小型、低出力設定可能なジェネレーター

img_tech_lightingstory26_04.jpg サンスター E 043
デジタルカメラ時代を考慮した設計の小型ジェネレーター。1回路あたり400Ws〜 6Wsと幅広い調光が可能な3回路独立調光タイプ。フラットパネル採用でシンプルなパネル面と直感的な操作が可能なダイヤル調光つまみを装備。セットに組み合わせるファンヘッドも大変小型で、収納や運搬も容易。
http://sunstarstrobo.jp/


img_tech_lightingstory26_05.jpg ブロンカラー SENSO(センソ)
高機能だが高価という従来のブロンカラーのイメージを払拭する価格設定と、小型化を実現したジェネレーター。1200WsタイプSENSO A2は高さ218mm。均等/不均等切り替え3灯出力。マルチボルテージ自動対応。新設計の小型ヘッドとの組み合わせセットが標準となるが、従来のブロンカラーのヘッドももちろん使用できる。
http://www.agai-jp.com/

 集光アイテムは?

 レンズスポットなどの特殊アクセサリーは、必要になったら揃えるか、レンタルでいいと思います。

でもグリッドはあった方がいいですね。ただ、注意しなくてはいけないのは、モノブロックタイプなどについているリフレクターは、アンブレラ用の小さい口径のものが多い。アンブレラ専用というわけじゃないので、デジタル一眼レフで小規模な撮影なら、それをそのまま標準リフレクター的に使っても問題ないと思いますが、グリッドをつける場合は標準口径のリフレクターに付け替える必要があります。

 モノブロック2灯に、アンブレラ、それからできたらライトパネル、グリッドも…これがあれば私でもやっていけますか!?

 プロとしてやっていけるかどうかはわかりませんが、機材的な面から言えば、ある程度の撮影はこなせるんじゃないでしょうか。

まぁ、事務所で簡単な撮影をできるようにしたいと言っても、照明関係機材の他に、撮影台やポール、テープやクリップなどの小物とか色々と必要になるし、デジタル撮影なら撮影用のパソコンもあった方がいい。予算、足りますか?

PhotoEDGE600px.png

おすすめ商品・アイテム

写真:玉ちゃんのライティング話

玉ちゃんのライティング話

スタジオ撮影のライティングを基礎から知りたい人へ。月刊誌コマーシャル・フォトで約3年にわたり連載された「玉ちゃんのライティング話」を再構成。カラー作例をふんだんに使い、プロのスタジオ撮影の基礎を解説したライティング読本。

玉内公一 著 定価1,620円(税込)

写真:商品撮影の基本を学ぶ

プロが教える上達の早道商品撮影の基本を学ぶ

さまざまな広告写真で30年のキャリアのベテランフォトグラファー 熊谷晃氏が教える、商品撮影における極意。難しく考えられがちな「商品撮影」を楽しんで取り組めるようになる。

熊谷晃 著 1,800円+税

写真:クリップオンストロボの実践ライティング

基本をマスターすれば光は操れるクリップオンストロボの実践ライティング

便利なTTLオート発光や安心感のマニュアル発光など、クリップオンストロボの基礎知識からプロの現場での活用法を紹介。クリップオンストロボユーザーや、これからクリップオンストロボに挑戦するユーザーに送る1冊。

2,000円+税

写真:あなたにもできる実践ライティング&撮影テクニック

あなたにもできる実践ライティング&撮影テクニック

5人の講師によるセミナー形式でライティングと撮影テクニックを解説。豊富な作例、目からウロコのテクニック、便利な機材などの情報を満載。商品撮影から人物撮影まで、すぐに役立つ、真似したくなるプロワザを惜しみなく披露する。

定価2,160円(税込)

写真:基礎から始める、プロのためのスチルライフライティング

基礎から始める、プロのためのスチルライフライティング

スチルライフのジャンルでも、特にプロの世界で「ブツ撮り」と呼ばれるスタジオでの商品撮影をメインに、ライティングの基礎から実践までを解説する。

定価2,808円(税込)

玉内公一 Kohichi Tamauchi

ドイテクニカルフォト、コメットストロボを経て、2000年に独立。銀塩写真、デジタルフォト、ライティングに関する執筆、セミナーなどを行なっている。日本写真映像専門学校非常勤講師、日本写真学会、日本写真芸術学会会員、電塾運営委員。

関連記事

powered by weblio




バックナンバー