2022年09月05日
クオリティと効率を求められる商品撮影では、ちょっとした工夫やアイデアで、仕上がりを良くしたり、後処理を簡単にしたり、撮影を効率的に進めることができるのです。
TIPS 13 ライティングが上達するコツはモノクロで確認すること
現在では商品撮影はデジタル、新聞広告もフルカラーになりましたが、昔はポスターなどのカラー広告用と新聞モノクロ広告用の商品カットをカラーフィルムとモノクロフィルムで同時撮影していました。
その際、カラーポラロイドでライティングをチェックして合格点のライティングと思ってモノクロポラロイドを撮ると、思うほどの立体感にならず平面的に感じたことがありました。
手順を変えてモノクロポラロイド前提でライティングを調整して撮った画像は、カラーでも成立すると感じました。
カラー写真では色に誤魔化されてしまい、ライティングで一番重要な「階調」が判断しにくい時があります。
モノクロ写真では、見せたい場所に光があたっていて、グレーの濃度差がきちんと出ていなければ、立体感のある写真になりません。
カラーが基本のデジタル撮影でも、一度データをモノクロ(グレースケール)にして確認することが、ライティング上達の一つの方法です。
カラー写真単体で見ればAもCもよく見えてしまうかもしれないが、モノクロにすると階調がきれいに表現できていない。
Aはコントラストがつきすぎ。いわゆる硬すぎる写真。Cはコントラストがなく、いわゆる眠い写真。
モノクロにして見ると、Bがハイライトからシャドーまで階調の差がきれいに出ていることがわかる。
ゴルフクラブヘッドの切り抜き写真撮影。Aのカットはそれなりに良く見えるが、モノクロにするとロゴマークの黒の楕円とクラブの濃い赤との境界がハッキリとしない。一方、はモノクロ状態でも境界が明確に出ている。ロゴが明確なのカット(のライトバランス)を選びたい。実際のクラブの色もBに近い。
ちなみにゴルフクラブなど屋外で使われる製品は、一度、自然光で色を確認して、その印象を記憶して撮影で再現するように心がける。他の被写体でも、それが使われる環境に近い光で確認してから、撮影すると良い。
TIPS 14 写真を見るときの背景色に注意
写真をモニターで見る時、背景色が暗いと、目の錯覚で写真が鮮やかに見え、背景色が明るいと写真が沈んで見えます。
たとえばPhotoshopの作業スペースを黒にして明るさを調整して、実際に白い紙に印刷したら写真が暗かったということもあります。
媒体のベース色に合わせた背景色で画像編集することが必要。媒体のベース色に合わせて写真の明るさを微調整するようにします。
下の図では左側の四角が鮮やかに、右側の四角が沈んで見えるが、実際は同じ色。
左右の写真は同じもの。周囲(作業スペース)を黒にして写真を観察すると鮮やかに見える。その写真が白い背景色の媒体で使われると、印象が変わってしまう。
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