黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン

TIPS篇 28-30 テーブル面に映る壁の白かぶりを抑える

写真・解説:黒川隆広

クオリティと効率を求められる商品撮影では、ちょっとした工夫やアイデアで、仕上がりを良くしたり、後処理を簡単にしたり、撮影を効率的に進めることができるのです。

TIPS 28 テーブル面に映る壁の白かぶりを抑える


明るい部屋の自然光撮影では、白壁の反射で家具天面や濃いフローリングが「白かぶり」をしてしまいます。

作例では部屋中央のテーブルに奥の白壁が映り込んで反射しているので、ペーパーで「白かぶり」を抑えたカットを素材として撮影しておき、部屋全体の写真と合成しました。

その際、黒ペーパー、グレーペーパー、茶色のペーパーをそれぞれ試し、茶色のペーパーをセレクトしました。

ロケのインテリア撮影では、このように複数の色違いのペーパーを用意しておくと良いでしょう。

テーブルが白くかぶっている
T28-01.jpg
奥の白壁が映り込んでテーブル面が白くなってしまう。


ペーパー 黒
T28-02.jpg
黒ペーパーの場合、テープル面の色が濃くなる。


ペーパー グレー
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明るさは適度だが、テーブルの色が出ない。


ペーパー 茶色
T28-04.jpg
茶色のペーパーでテーブルの自然な色を出た。




T28-05.jpg

一番上の元写真に、茶のペーパーで映り込みを抑えたテーブルを合成して完成。

撮影協力:萩原株式会社
http://e-hagihara.co.jp







TIPS 29 フレアをつくり光が溢れる空間を演出


カーテン部分にフレアを作り、光が部屋に溢れる様子を演出しました。

レンズ前に透明アクリル板をつけて、カーテン部分にあたる付近にだけ、アクリル面にヘアワックスを塗り光を滲ませています。

ヘヤワックスでは光が滲み過ぎという場合、鼻の脂を塗るだけでも効果が出ます。



フレア なし
T29-01_なし.jpg


フレア 鼻の脂
T29-02_鼻.jpg


フレア ヘアワックス
T29-03_ヘア.jpg
T29-04.jpg

レンズ前に透明アクリル板をつけて、フレアを入れたい部分にヘアワックスやノリを塗布する。左の写真ではわかり易いように厚塗りをしているが、鼻の油くらいでも効果的。







TIPS 30 PLフィルターを使って反射を弱める


自然光のインテリア撮影ではPLフィルターは必需品。

フローリングやテーブルの反射を抑える際に使います。

露出をばらして撮影しておき、Photoshopで反射している部分を合成することもできますが、撮影でできることは、撮影で済ませるようにします。

T30-01.jpg

PLフィルターなし PLフィルター使用
T30-02.jpg






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