2022年09月19日
クオリティと効率を求められる商品撮影では、ちょっとした工夫やアイデアで、仕上がりを良くしたり、後処理を簡単にしたり、撮影を効率的に進めることができるのです。
ボディが鏡面のシェーバーを黒バックで撮影してみました。
台や棒に立てることができない被写体のため、背後からの突き出し棒で宙に固定して、LED表示を含めての一発撮りです。
撮影のポイントを紹介します。
TIPS 15 黒背景に馴染まないように逆光のハイライトで輪郭を出す
上の写真のライティングセットイメージ。
黒ペーパーの前に突き出し棒でシェーバーを固定、全4灯のライティング。背後からのライト❶による面光源でシェーバー左側エッジにハイライトラインを入れている。ハイライトラインを細くするには、被写体前面に光が回り込まないように、面光源をできるだけ被写体後ろ(黒バックのすぐ横)から打つ。背後の面光源が画角に入ってしまう場合はTIPS18。
各ライトの役割
ライト❶ 黒バック紙の左からディフューザー越しの面光源。逆光で左側面の輪郭を出す。
ライト❷ 左斜め前から。ライト❶のハイライトのやや内側にグラデーションを入れる。
ライト❸ 右サイドからやや逆光気味に光を入れ、右側のハイライトを作る。
ライト❹ 刃の部分の描写。後ろ斜め上からの逆光で上部の輪郭を出す。
シャッター速度1/2秒のダブリングで、LED表示部を写す。
TIPS 16 背景に商品を浮かせるセット
平板のアルミステーを使う。首の部分を直角に折り、その後ろで90度ねじっておく。
グルーガンで商品をアルミステーにとめる。グルーガンの熱から商品を守るため、ガムテープを重ねて貼っている。高熱タイプのグルーガンの場合は、やや冷ましてからつける。
突き出し棒で被写体を宙に固定した状態。
TIPS 17 スローシャッターでLED表示を写す
ストロボ撮影でLED表示を写すには、カメラのシャッター速度を1/2秒程度に設定。ストロボの瞬間発光(露光時間は数千分の1秒)で被写体を描写後、LEDの発光部を露光する(ダブリング)。この際、露光に影響しないように、ストロボのモデリングライトはオフにしておくこと。
TIPS 18 撮影で足りない黒バックを伸ばすには
黒バック撮影で、輪郭出しライトなどの仕掛けが画面端に写り込んでしまう場合、遮光テープをレンズ前に貼り、ケラレを作って黒背景に馴染ませることができる。撮影後のPhotoshop編集で黒く塗りつぶすこともできるが、撮影時にもできる。背後からライトを入れる場合は、ハレーション防止にもなる。当然ながら被写体はケラレないように。
写真上右が、レンズ前の遮光テープのケラレで、画面左を黒くした例。絞り値でボケ足が変わるので、本来の黒バックとの繋がりに注意する。
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