2022年08月16日
クオリティと効率を求められる商品撮影では、ちょっとした工夫やアイデアで、仕上がりを良くしたり、後処理を簡単にしたり、撮影を効率的に進めることができるのです。
通常、乳白アクリルを撮影台にして下からライトを入れる撮影では、台(乳白アクリル)自体が透過光で明るくなり、台に置いた被写体の影は出ません。
ここでは「骨白アクリル」を使い、被写体のシャープな影を作り、さらにその影に色をのせる方法を紹介します。
下からの光で色をつけているため、被写体(商品)の色味には影響しません。
シャープな影で日差し感を出しつつ、影自体に色のグラデーションを作った作例。少し昔の4×5フィルム撮影の写真。今ならPhotoshopで影に色をつけることも簡単だが、「骨白アクリル」でも強い光をあてると透過するということに気づけば、さまざまな撮影に応用できる。
ガラス板と骨白アクリル板を重ねた二階建てのセット。骨白アクリル板には商品を置き、ガラス板の上には短冊状のカラーフィルターを置く。 ベアバルブ状態のライト❶で商品のシャープな影を作る。ライト❷で商品内部を明るくするが、ライト❶で作った影を消さないように注意する。グリッドを使い床面(骨白アクリル面)にあたらないようにするのもよい。 ライト❸で下から強い光を入れると骨白アクリルでも光を透過するので、影に下のフィルターの色がのってくる。フィルターの色、位置を調整して、影の中に色のグラデーションを作る。
ガラス板の上に置いた短冊状のカラーフィルターはサンプル帳から外して使用。色のバリエーションが多いので、1冊あると便利。
*乳白アクリルと骨白アクリルの違い。
光をある程度透過し、ディフューザーなどで使用される白いアクリル板の正式名は「乳半アクリル(乳白半透明アクリル)」だが、撮影現場では慣例的に「乳白アクリル」と呼ばれることが多い(記事中でも「乳白アクリル」と表記)。 一方、半透明ではない白い素材は「骨白アクリル」で、光の透過が少ない。
- TIPS篇 34 「注ぎカット」は撮影時の傾きで印象を変える
- TIPS篇 33 スケールダウンした 風景を 被写体に映し込む
- TIPS篇 32 鏡面の被写体は シルバーペーパーを 床背景に使う
- 黒川隆広 が「商品写真撮影」の無料添削をします!
- TIPS篇 31 ライティングで浮遊感を出すアイデア
- TIPS篇 28-30 テーブル面に映る壁の白かぶりを抑える
- TIPS篇 26-27 被写体を傾け真俯瞰のアングルをつくる
- TIPS篇 25 スープの具材を液面に並べる
- TIPS篇 24 ビーズクッションを背景として利用
- TIPS篇 23 背景シートを使ったテーブルトップ撮影
- TIPS篇 21-22 耐震マット、クリップを使った被写体の固定
- TIPS篇 19-20 指輪の背景にシルバーマットを使う
- TIPS篇 15-18 黒バックで 商品を浮かせて 撮る時のポイント
- TIPS篇 13-14 色にごまかされない被写体の観察
- TIPS篇 12 骨白アクリルの背景で影に色をつける
- TIPS篇 11 撮影素材から ハイライトを拾い 合成する
- TIPS篇 10 ハイライトの 後のせ合成
- TIPS篇 08>09 エンボス加工のライティング、ペーパーを丸めて背景を暗くおとす
- TIPS篇 06>07 ハーフミラーとツヤ消しスプレー
- TIPS篇 02-05 缶を水に落とす時の隠し技・ネイルカラー撮影・他
- TIPS篇 01スプラッシュの合成用素材は水に墨を混ぜる
- Lesson 9 ワインボトル 撮影のポイントとアイデア
- Lesson 08 ライトの形と大きさ〜ソフトボックスは使わない
- Lesson 07 メインライトは 色と形、 ハイライトは 素材感
- Lesson 06 1灯のバウンス ライトを極める
- Lesson 05 光の硬さで 表現を変える
- Lesson 04 商品に最適な色味を理解する
- Lesson 03 ゆがみと遠近感をコントロールする
- Lesson 02 フレーミングで 商品の表情を出す5つのパターン
- Lesson 01 距離とアングルで表現を変える