黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン

TIPS篇 33 スケールダウンした 風景を 被写体に映し込む

写真・解説:黒川隆広

クオリティと効率を求められる商品撮影では、ちょっとした工夫やアイデアで、仕上がりを良くしたり、後処理を簡単にしたり、撮影を効率的に進めることができるのです。

時計やボトルのガラス面に風景を映し込むことで、ロケで撮影したようなイメージを作ることができます。

昔は、風景写真を8×10の大判ポジフィルムにデュープ(転写)してディフューザーの前に貼ったり、さらに大がかりなものではスタジオの白ホリに投射して背景を合成しましたが、現在はプロジェクターでデジタルフォトイメージを投影することも簡単です。

小さな被写体ならば、タブレットに画像(風景写真など)を表示して、映り込みをつくることもできます。



タブレットを使いスケールダウンした風景を映し込む

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時計のガラス面と床背景に夕景を映し込んだ作例。写真下がその撮影の様子。TIPS 32で紹介した五條製紙のスペシャリティーズペーパー「No.381」に時計を置き、左右にレフとして銀ペーパー(同「No.210」)を立てて、iPadで風景を映し込んでいる。右からLEDペンライト(金色の筒)で、iPadの白いフレームに光をあて、反射した光でベゼル右側の明るいハイライトを作っている。風景写真素材協力:KYON.J


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iPadの表示画像を変えれば、様々なバリエーションが可能。

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風景ではなく白黒のハイライト素材を映し込んだ作例。ガラス面の丸みを感じさせる。


フィルム撮影時代の作例

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8×10ポジをスタジオの白ホリゾントに映写。青空背景を作り、瓶の中にも空を映し込ませている。


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