2022年07月19日
クオリティと効率を求められる商品撮影では、ちょっとした工夫やアイデアで、仕上がりを良くしたり、後処理を簡単にしたり、撮影を効率的に進めることができるのです。
TIPS 08 エンボス加工のある表面の描写
エンボス加工された平面の描写は、通常の左(右)斜め上からの光では、被写体に近いライト下側の光でエンボスの影を作りますが、被写体から遠いライト上側の光がその影を消してしまいます。
またライト位置が近いと被写体左右で明暗差もついてしまいます。
ライトを離すことで被写体左右の明暗差はなくなり、またほぼ水平に近い角度から光を入れることで、エンボス加工の影を描写できます。
バウンス光はライトと被写体の距離を取れる上、拡散した光で紙の質感を出しつつ、エンボスの描写が可能。
また直接、光をあてる場合も、ライトの角度と距離の調整で、ムラのないエンボス表現が可能です。
写真左:近い位置から直接ライトをあてるとライト下側の光は影を作るが、上側の光で影を消してしまい、エンボスの立体感は表現されない。
写真右:ライトを低い位置から壁バウンスすることで、表面の加工を立体的に描写する。壁バウンスすることで距離が離れているので、光を均一にあてることができる。
エンボス加工のある白いパッケージの撮影。通常のライト位置ではエンボスの立体感がでない。1灯でライトを2mほど離し、商品に向けずに真横からの細い光でライティングすれば、質感、表面の立体感を表現できる。ライトが遠いので露出は均一になる。ライトに近い左サイドは、黒ボードで光をカットして輪郭を出す。金文字は別撮り合成。
TIPS 09 ペーパーを丸めて背景を暗くおとす
テーブルトップ撮影でカラーペーパーに商品を置いて撮影する際、奥を暗く落とすと被写体が際立って、ニュアンスのある写真になります。
ただしトップから被写体にライトをあてると、背景まで光が回ってしまうため、黒いボードをカラーペーパーの上にセットして、奥に行く光をカットします。
さらに簡単なのは、ペーパー自体を丸めて光をカットする方法。この方法ならペーパーの丸め方で、影の入り方やグラデーションもコントロールしやすいです。
黒ボードで背景を暗くする
左サイドからのディフューザー越しのライトをメインに、パウンドケーキの背後からのトップライトで、ケーキ上面にハイライトを入れる。アングルに入らない位置に黒ボードを渡し、上からの光をカット。画面奥にシャドーを作る。
ペーパーを丸めて背景を暗くする
ライトの配置は左と同じ。カラーペーパー自体を前に折り曲げてトップライトの光を遮り、奥にシャドーを作る。手持ちで紙の角度や位置を自由に変えられるので、バリエーションを作りやすい。
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