黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン

TIPS篇 06>07 ハーフミラーとツヤ消しスプレー

写真・解説:黒川隆広

クオリティと効率を求められる商品撮影では、ちょっとした工夫やアイデアで、仕上がりを良くしたり、後処理を簡単にしたり、撮影を効率的に進めることができます。今回は反射物のハーフミラー撮影。

TIPS 06 ハーフミラーによる反射物の平面撮影

鏡面加工された平面のパッケージを正面、または俯瞰で撮影する際、商品にカメラが映り込んでしまう場合があります。

そこで「ハーフミラー」という技法を使って撮ります。

カメラを商品の正面に構え、透明度の高いガラス(もしくはアクリル板)をカメラ前、斜め45度にセット。

カメラから90度の位置にライトを置き、ディフューザー(乳白アクリル)越しにフラットな面光源をガラスに向けて照射します。

ガラスがその光を商品側に反射して、カメラ側は暗いままなので、商品にカメラは映り込みません。

T06-01.jpg

表面に光沢のあるパケージをハーフミラーで撮影した作例。商品自体にグラデーションの模様があるので、ハーフミラーのライトはディフューザー越しの面光源にして、グラデーションが出ないフラットな光で描写する。ただしハーフミラーだけでは商品の色が出にくいため、通常のパッケージ撮影と同様、斜め上からライトを入れる。影は別撮りして合成。


T06-02.jpg

通常のパッケージ撮影と同じように被写体表面にハイライトが出にくい位置からライト❶を入れ、ライト❷でハーフミラーライティング。



T06-03.jpg

コインなどの撮影もハーフミラーを使う。ここでは金色のコインを黒のハイミロン(光の反射率が低いベルベット風起毛布)の上に置き、定常光2灯で俯瞰撮影。ガラス板の代わりに透明アクリル板を使用している。

T06-04.jpg

A:ハーフミラーを使わずに、斜め上からのメインライト❷だけで撮影したもの。レリーフ感は出るが、レリーフ周囲の平面部分は黒くなってしまう。
B:メインライト❷にハーフミラーライト❶を足した撮影。❶の前にはディフューザーを入れて、透明アクリル板にあたる光を拡散させ、コイン全体に金の色を出した。
C:ハーフミラーライト❶にディフューザーを入れず、直光をアクリル板にあてて、コイン表面にグラデーションを作った。コインのような被写体は、このくらいのコントラストがあったほうが、立体感、金属感が表現できる。



TIPS 07 艶消しスプレー

シルバーのツヤあり商品はライトを強く反射してしまい、きれいなグラデーションや質感描写が難しい。

被写体をディフューザーで覆い、強い反射を防ぐ方法が一般的ですが、簡易的には艶消しスプレーなどで反射を抑える方法もあります。

ただし撮影専用の艶消しのスプレーでは粒子感が出てしまうので、市販のスプレー類(撥水スプレーなど)で代用もできます。

やや乳白色で色が変わらず粒子感の出ないスプレーもあります。

T07-05.jpg

右:ツヤ消しスプレーなし。左:ツヤ消しスプレーあり。

※スプレーの成分により被写体の表面を変質、劣化させる場合があるため、貴重品、一点ものの撮影に使用するのはお勧めしません。


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