黒川隆広「商品撮影」基礎レッスン

TIPS篇 34 「注ぎカット」は撮影時の傾きで印象を変える

写真・解説:黒川隆広

クオリティと効率を求められる商品撮影では、ちょっとした工夫やアイデアで、仕上がりを良くしたり、後処理を簡単にしたり、撮影を効率的に進めることができるのです。

ワインをグラスに注ぐカット。

グラスを斜めにセットしてワインを注ぐと、注ぎやすく、液面にも動きが出て目を引く写真になります。撮影の際にはカメラも斜めにセットしています。

レードルからスープを注ぐカットの撮影でも、カメラの位置を水平ではなく、やや高いアングルで撮影すると、レードルにスープがたっぷりと入っているように見えます。

広告の商品撮影の演出では、こうした角度とアングルの工夫が大切です。



ワイングラスの注ぎカットはグラスとカメラを斜めにする


T34-02.jpg

グラスを垂直に立ててワインを注ぐと、写真のように液面の動きが少ない。

T34-01.jpg

グラスを斜めにして注ぐと、液体の大きな動きを作りやすい。

T34-03.jpg

グラスを斜めセット、カメラも斜めにして撮影。

ボトルの中身を半分にすることでボトルの傾きを調整。赤ワインは色が濃いので、水で半分ほどの濃さに薄めて、ワインの色を表現。

注ぐ勢いと角度でも表情は変わるが、グラスを斜めにセットすることで、表現が良いカットの確率が高まる。



レードルの注ぎカットはアングルを少し高くする


T34-05.jpg

カメラと水平のアングル。

T34-04.jpg

やや高めのアングル。

レードルからスープなどを注ぐカット。カメラアングルを水平のまま、レードルを傾けてしまうと、スープはレードルからこぼれてしまう。

カメラ位置を少し高くすると、レードルの傾きはそのままで中の液体を多く見せることができる。

カメラのアングルを変える工夫だけで表現が変わる。



▶︎▶︎黒川隆広 「商品写真撮影」無料添削スタート


関連記事

powered by weblio




バックナンバー