Lightroom 実践力アップ講座

第1回 カタログの使いこなし

解説:湯浅立志

去年、メジャーバージョンアップされたAdobe Photoshop Lightroom 2(以下LR2と略す)だが、使い心地はいかがだろうか? 今回からスタートするこの連載は、LR2の実践的使いこなしをシリーズで解説していく。すでにお使いの方も、まだお使いでない方も、日頃の作品作り、仕事での撮影に何らかのヒントになれば幸いだ。

カタログとは何かを気にしなくてもLightroomは十分使える

のっけから私事で恐縮であるが、最近プロ向けのセミナーに講師として呼ばれる機会が多い。各地でセミナーをやるに付け、このLR2の解説、使い方指導を希望されているフォトグラファー、写真家の方が非常に増えている実感がある。これもひとえにLR2の多機能性、秀逸な操作感がユーザーの心を捉えたものだろう。しかし、それと反比例するように、実践的な使いこなしのハウツーが不足しているように思う。ご存じのようにPhotoshop関連の書籍は数多あれど、LR2関連では非常に少数。そのあたりの渇望感に応えられるよう進めていきたい。

内容的にはフォトグラファーを前提としたものになるが、ハイアマチュアでも十分参考になるはずだ。また、フォトグラファーとひとくくりにしてもジャンルは様々。ご自身の仕事にマッチしないこともあると思うが、そこを自分なりにアレンジするのがプロというもの。

第1回目の今回は、カタログに関しての使いこなしを紹介していこうと思う。

最初にLightroomというアプリケーションが世に出た時に、多くの人が戸惑ったのがこのカタログという概念だ。「カタログって??」と、僕も戸惑ったことを思い出す。カタログには写真とその情報(現像パラメータや元データとのリンクなど)が記録されるが、実際の写真ファイル自体は別の場所に格納されていて、カタログには含まれない。レストランに入った時に見るメニューみたいなものを想像するとよいだろう。メニュー自体には料理が入っていないで、その価格とかカロリーとかが書いてあるだけ。カタログも同じようなものだ。

カタログについて、僕がLR2初心者に対していつも言うことは…「気にしないこと」。

最初は何も気にせずにデフォルトのままで使っていってもかまわない。LR2の素晴らしいところは、パソコンやデジタル画像に対してそれほどの知識がなくても十分使えるという点だ。撮影したらLR2に読み込ませる、写真を選ぶ、現像する。プリントして飾ったり、ホームページに載せたり、ブログに貼ったり…写真の楽しみ方が一気に広がり、そして楽しくなるはずだ。

その段階を過ぎた人はどうするか? 今回はそのあたりから始めよう。

写真を読み込むときの基本的な流れ

手当たり次第に写真を読み込んでいくと、カタログや本データの容量は増える一方だ。ハードディスク(以下HDD)の残り容量が少なくなったりすると、画像の置き場所を再度考える時期が来る。また、読み込ませた画像がどこにあるのか、不安になる場合もあるだろう。

PCのHDDを交換する、もしくは新たに追加するタイミングと合わせて、LR2のカタログも再考してみよう。ノート型を使っている場合は内蔵HDDでもかまわないが、デスクトップ型、特に複数台のHDDを内蔵できるPC(Mac Proなど)は、LR2専用のHDDをセットしよう。この頃は1TBでも8000円くらいと低価格で手に入る。1TBのHDDなら相当の枚数を撮る人でもかなりの期間は使えると思う。

ここで、画像を読み込む際のおさらいをしよう。カタログと写真データの保管場所は、デフォルトでは以下のようになっている。

Mac版でもWindows版でも、カタログと写真データの保管場所は「ピクチャ」フォルダの中に作られるようになっている。

写真の読み込みは左図のような流れとなっている。ピクチャフォルダ内に写真データを読み込むと、カタログにはプレビュー情報、写真の保存場所のリンク情報、写真のメタデータが格納される。現像モジュールで適用したパラメータもカタログに記録される。

余談だが、読み込みと同時にバックアップも取れる。バックアップ先は自由に指定できるので、外付けHDDを利用してデータの安全を確保しよう。

写真を読み込むときは下の画面が現れる。この画面では、ピクチャフォルダに写真をコピーするかどうか、その際の整理はどうするかなどを設定する。

①「ファイル管理」では、元の写真をコピーするか、移動するかを選択する。移動(=「写真を新しい場所に移動してカタログに追加」)を選ぶと、元の場所から写真が削除されるので注意。
②「整理」では、写真を1つのフォルダにまとめるか、元のフォルダのまま読み込むか、日付で整理するかを選択できる。日付を選ぶのが一般的のようで、筆者も日付で整理している。この部分は一度設定すれば次回以降も同じ設定になるので、最初だけ自分の決まりを作る。一度決まりを作ったら、そのカタログではそれを守る方が混乱しなくてすむ。
③「バックアップ先」にチェックを入れておくと、読み込みと同時にバックアップを取れる。
④読み込みの際に「現像設定」も一発でかけられるが、これは次回以降に説明する。
⑤読み込み時にぜひ設定しておきたいのは、この「メタデータ」のプリセット。デジタルデータになって著作権が曖昧になりがちだが、撮影後、早い段階で著作権データを埋め込んでおきたい。この説明も次回以降に。
⑥「キーワード」も読み込み時に入れておくと後で楽だ。
⑦「プレビュー」は、最小/埋め込みとサイドカー/標準/1:1 のどれかを選択する。

上図⑦の「プレビュー」は、読み込む時に時間があるようなら、1:1 のプレビュー作成をお薦めしたい。筆者の場合、1:1 プレビューは読み込み時に必ず作るようにしている。

1:1プレビューとは、元写真と同じピクセル数の見本画像のことだ。ご存じのようにRAWのままだと写真として見られない。LR2は表示用に見本画像を作るのだが、標準では元写真よりも小さいサイズのプレビューになってしまう。ピントチェックなど100%拡大で見るときは、1:1プレビューでないと判断できない。

もちろん、気になった画像だけ拡大すればすむ話だが、その拡大の際に1:1プレビューを作ってからの表示になるので、表示が若干遅れる。僕などは短気なのでその待ち時間がストレスになる。快適に使うためには1:1プレビューを読み込み時に作っておくことをお薦めするわけだ。読み込みのボタンを押してからトイレに行くなど、ちょっと休憩を挟むようにすれば、プレビュー作成の時間も気にならないはずだ。

ここまでが読み込み時の基本的な流れだ。

写真データが増えてきたら画像専用のHDDを増設しよう

さて、本題に戻ろう。冒頭で述べたように、内蔵HDDの残り容量が少なくなってきたら、画像専用のHDDを新たに増設しよう。

カタログと写真データの保管場所は、別々のHDD でもかまわない。ノート型の場合、内蔵HDD にはカタログだけを置いて、写真データはすべて新しいHDD に置いてもよい。

ただし、カタログは写真データの保管場所を記憶しているので、LR2で管理している写真データは、ディレクトリから自分でファイル移動などをするとLR2のカタログの参照リンクが切れてしまう。LR2で管理している写真の移動はLR2上で操作するように気をつけたい。

また、別HDDにした際はデータ転送速度にも注意。外部HDDのインターフェイスはできるだけ速い規格のものを使った方がよい。たとえばUSBよりもFireWire、さらにeSATAという具合に。このように、カタログと写真データの場所を別々にした場合、新たな写真を読み込むには少し工夫が必要となる。

外部に写真データを置いたままの読み込みは以下のやり方となる。

読み込み時に「写真を移動せずにカタログに追加」を選択。これで元の写真のある場所から写真データを移動せずにLR2のカタログに追加できる。

さて、こうやって次々とカタログに写真が追加されていくわけだが、その時限りの仕事も多いだろう。というか、雑誌、広告から結婚式のスナップ撮影まで、ほとんどの写真がその場限りというが僕たちの仕事だ。

撮影がデジタル化されたことで最も変化したのはショット数の増加だろう。しかし、撮影したすべてのショットを一つのカタログに追加していくのは、LR2を使ったワークフローとしては効率が悪い。そこで複数のカタログを作っていく方法をマスターしよう。

複数のカタログを作ることでワークフローを効率化する

まず、カタログに対しての意識をもう一度整理してみよう。僕の場合、自分のアーカイブとしてのカタログと、一過性の仕事写真としてのカタログ、この2種類を意識している。ここで、その仕事限りのカタログを作ってみよう。

僕の場合、その仕事の日にち、クライアント名という名前を付けたフォルダを作り(左図①)、その中に撮影データを入れることにしている(同②)。

LR2 を起動したら上の画面が現れるので、「カタログを新規作成」を選択する。なお、初期設定のままではこの画面は現れない。この画面を表示するには、環境設定 > 一般 > カタログ初期設定 > 「Lightroom の起動時にダイアログを表示」を選択しておく。

先ほどの仕事のフォルダを指定して、その中にカタログの入るフォルダを作る。ここで指定した名前がカタログの名前にもなるので、後々分かりやすい名前にしておくと便利。名前は日本語でも大丈夫。

ここで「作成」をクリックすると、先の仕事のフォルダの中に、カタログフォルダができる。

LR2 に戻り、写真を読み込む。この際に「写真を移動せずにカタログに追加」を選択して、画像の入ったフォルダを指定する。「写真の読み込み」画面でメタデータとキーワードも入れておこう。さらにプレビューを1:1 で作ってしまうと、後の作業が楽になる。

読み込み後、プレビュー作成。終われば快適に作業に入れる。

こんな感じでその時々のカタログを新規作成してしまおう。その仕事が終われば、そのまま元のフォルダごとHDDから削除してしまってもよいし、保存しておいてもよい。僕はすべて保存してあるが、そのメリットはいくつもある。過去の仕事で、クライアントから同じデータを要求されることはよくあること。元データとカタログが保存されていれば、大きい画像でもウェブ用の小さい画像でも自由自在。

更にそのカタログごとアーカイブ用のメインカタログに読み込ませれば、自分のアーカイブとして保存、管理ができる。このやり方については次回あらためて説明しよう。

湯浅立志 Tatushi Yuasa

1981年東京写真専門学校卒業。広告写真スタジオの社員カメラマンとして15年勤務。独立後は雑誌、広告、WEB媒体でモデル撮影から商品撮影まで幅広く活動。2004年(有)Y2設立。日本広告写真家協会会員。「ADOBE PHOTOSHOP LIGHTROOM 2 ハンドブック」(コマーシャル・フォト2008年10月号付録)を始め、デジタルフォトに関する原稿執筆多数。 http://tatsphoto.air-nifty.com/

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